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デサント、「デサント」ブランドの旗艦店舗をオープン

update: 2019/03/01

新コンセプトで再出店した 「デサント」の旗艦店舗「DESCENTE TOKYO」

新コンセプトで再出店した
「デサント」の旗艦店舗「DESCENTE TOKYO」

デサントが2月6日、東京・渋谷に基幹ブランド「デサント」の旗艦店舗「DESCENTE TOKYO(デサント トウキョウ)」(東京都渋谷区神宮前)をオープンした。同地区にあった既存の旗艦店舗を移転し、新しいコンセプトで再出店した形だ。

ブランド表現、ユーザー認知の場として活用

以前はJR原宿駅前に、2013年10月10日にオープンした路面店舗「DESCENTE SHOP TOKYO(デサント ショップ 東京)」を構えていた。水沢ダウンやスキーウエアといった、秋冬シーズンのアウターを主力にする品揃えが中心だった。立地特性も影響し、インバウンド需要が高かった。なお、従来の旗艦店で主力だったライフスタイルを意識した「水沢ダウン」などの商材は、別業態の「DESCENTE BLANC」(デサント ブラン)がメーンになっている。

新しい旗艦店「DESCENTE TOKYO」は“コンセプト”を見直し、スポーツを通じた“体と心のチューニング”を基礎にした売り場に改めた。日常生活にスポーツを採り入れているエンドユーザーまで範囲を広げ、シリアスイメージの強い「デサント」ブランドの新しい一面を発信する狙いがあるようだ。店舗は地下1階、地上2階の3フロア構造。地階では「デサント」「イノヴェイト」のシューズや、身体の歪みの解決策を提案する「カラダバランス」を設けた。地上1階は、ベースボール用品を扱う。ユニフォームのカスタムオーダーにも対応する。そのほか、茶葉や茶具を扱う鹿児島の「すすむ屋茶店」のスタンドを設置した。地上2階では、書籍の販売コーナーや、イベントやワークショップが開催できるスペースを加えた「DESCENTE BLANC」が出店している。

今回の新しい旗艦店の出店目的は大きく3つ。①ブランド表現の場として活用する、②ユーザーの認知度を向上させる、③明治通り沿いの“デサント”ストリートを確立する、を重視した。①の「ブランド表現の場として活用する」では、都市部進出への基盤の構築を目指す。日本のスポーツブランドとしてのUSP(Unique Selling Proposition=独自の売りの提案、と訳されるマーケティング用語)を表現する場所として活用する。

新コンセプトのスポーツを通じた“体と心のチューニング”と関連するが、②の「ユーザーの認知度を向上させる」では、幅広い商材をユーザーへアピールし、ブランドの存在、価値観を理解してもらえるよう努力する。比較的、比率が低い女性客の取り込みも期待できる。

3つ目の「明治通り沿いの“デサント”ストリートを確立」では、同社が手掛けている他ブランドの直営路面店が集積する明治通りにおいて、同社のブランド群の発信拠点にする狙いがある。ライフスタイルシーンを軸にした「ルコックスポルティフ」の「ルコック アヴァン」、水着ブランド「アリーナ」の「アリーナショップ」などが出店している地区だ。ブランドは異なるが、ドミナント的な出店とも言えるだろう。