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『マーケット分析』
「デサント」ブランドにおけるビーチバレー戦略

update: 2011/09/14

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デサントが「デサント」ブランドで2007年からスタートしたビーチバレーのプロモーション効果が徐々に表れてきた。高機能スポーツアパレルブランドとしての認知度を高めるため、主に国内外のビーチバレーの大会でブランドロゴを露出、発信してきた。エンドユーザー向けのコンシューマー・プロモーションに加え、小売関連業者にアピールするディーラー・プロモーションの点でも成果を挙げ始めた。

日本の「フィギュアスケート」に相当

マルチな広がりを見せる「Move Sport」

マルチな広がりを見せる「Move Sport」

9月1-4日の4日間、大阪・靱テニスセンターを会場に、JBV TOUR2011「東日本大震災復興支援大会 ファイテンビーチバレー 大阪オープン」(主催、日本ビーチバレー連盟)が開催された。ビーチバレーの日本人選手が参加する国内大会である。試合は男女に分かれ、トーナメント方式で実施。女子の部では、デサントがサポートする浦田聖子率いるチーム(パートナーは西堀健実)が見事、優勝を飾った。彼女たちが身に着けていたセパレートタイプのゼッケンには、「デサント」ブランドのロゴが入っていた。

大会から遡ること2日前の8月30日、浦田・西堀ペアは大会会場近くのスポーツ専門店「スポタカ」本店で、ユーザーイベント・サイン会に参加した。終始笑顔で、会場からの質問にも真摯に受け答えし、何とかビーチバレーの魅力を伝えようとする姿勢が垣間見られた。プロとしての意識が強く感じられるイベントだった。会場には「デサント」ブランドのロゴがあふれていたし、浦田・西堀両選手の口からも、同ブランドのウエアの魅力が語られた。ブランド・プロモーションの観点からは、エンドユーザーと接することのできるまたとない機会だった。

「デサント」ブランドの担当者いわく、欧州のビーチバレーは日本で言えば「フィギュアスケート」のような位置付けらしい。一般人はなかなか体験することはないが、試合があれば見るし、また熱心なファンも存在するという種目である。しかし日本ではまだまだマイナーな競技で、例えば海外大会の遠征費をプロ選手自身が負担しなければならないような状態だ。国内ランキング1位の浦田選手も例外ではない。先のワールドカップで優勝するまでの女子サッカー日本代表の選手たちが似たような境遇だった。