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ゴルフウエア市場 ―― 2011年展望
「感度はより高く、価格はより買い易く」がキーワード

update: 2011/01/20

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ファッションウエアとして 認識されつつあるゴルフウエア。 写真は『アルチビオ』

ファッションウエアとして
認識されつつあるゴルフウエア。
写真は『アルチビオ』

客単価減の影響続く

2000年代前半から始まったゴルフウエアブームは08年のリーマンショック以降、一段落したようだ。矢野経済研究所の「スポーツアパレル市場に関する調査結果 2010」によると、ゴルフウエアの2010年見通しは935億円(前年比0.4%減)。今年2011年も930億円(0.5%減)と微減傾向が続くと予測している。

店頭では、買上単価の下落はほぼ収まったが、女性ゴルファーの出足が鈍ってきた。特に若い層の女性客が減ってきたようである。ボールケースやグリーンマーカーなどアクセサリー類は売れているがいかんせん単価が低い。やはり主役のウエアの売り上げが戻ってこなければ、本格的な回復にはつながらない。

ここ2年ほどで売れ筋の値段が下がってしまった。主力商材の1つであるポロシャツでは、百貨店ブランドで1万円台後半が相場だったが、今では1万円台前半が普通になってしまった。ゴルフ専門店や量販店では、5000円台の廉価版も珍しくなくなった。消費の下げ止まりとともに買上単価も回復に向かうといいのだが、ゴルフウエア市場もデフレーションの影響を受けている。

前出の矢野経の「スポーツアパレル調査」では、ゴルフウエア市場が伸び悩んだ要因の1つに「レイヤード」(重ね着)スタイルの浸透を挙げている。これはゴルフウエアブランド各社が異口同音に指摘する傾向だ。レイヤードは長袖の着圧アンダーウエアにポロやブルゾンなどを重ねる着こなし方で、春夏・秋冬の両シーズンを通じ着ることができる。重ね着するトップスを替えれば温度調整も可能だ。トップスは襟や袖のデザイン変化、素材・色めの変化、丈・シルエットの変化とどんどん細分化し、成熟度が増して行った。

レイヤードが行き渡ったことによる反動ではないが、レディスゴルファー向けのワンピースも定番アイテムになった観がある。ただしこれは1点もので、スタイリングを組んだ時にセット率が低くなり、客単価も下がる。専門店・量販店系ではこうした1点ものの販売はむしろ効率的だろうが、ランニングコストの高い百貨店では難しい面がある。

踊り場を迎えているように見えるレディスと異なり、メンズは堅調。機能性に裏打ちされたウエアは安定感がある。