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『マーケット分析』
「ゴルフウエア市場 vol.1」 スタイリングの“次”を模索する

update: 2011/04/04

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女性ファン増えているブランドも

アウトドア要素を含んだ「マンシングウェア」

アウトドア要素を含んだ「マンシングウェア」

アウトドア要素を含んだ「マンシングウェア」

関西の有力店の1つ、阪急百貨店イングス館。3月9日から22日までの約2週間、1階イベントスペースで、「2011春 イングス ラブズゴルフ」と題し、レディスゴルフウエアブランドに軸足を置いた特設売り場を展開した。展開ブランドは「アルチビオ」「JUN&ROPE」「ビバハート」「ティアスマイル」の4つで、ポーチなどアクセサリー類を加えた構成。例年よりも気温が低かったことや地震の影響で客足が鈍かった影響もあったが、期間中の売り上げはほぼ目標通りだったという。

ターゲット層は、20-30代の若い女性と感度の若い40代女性。ゴルフウエアを通じファッション性とトレンド性を提案した。来店客は30-40代女性が中心で、顧客の買い上げが多かった。「JUN&ROPE」など新規ブランドを取り入れた効果もあり、新規客も訪れたようだ。新規客の特徴はポーチやアクセサリーなどを買い求めたこと。ギフト需要が背景にあるらしい。アクセ類はウエアに比べると価格も手頃で買い易い。エントリー向けには最適の商材である。また、ファッション性もかなり高くなっているため、ゴルフグッズが普段のファッションアイテムとして使用に耐えられるようになってきたこともあるようだ。もちろん、プレーを念頭に置いた購買も少なくない。

好調だったブランドは「アルチビオ」。上代価格はやや高めだが、30-40代のマインドの若い女性を着実に取り込んでいる。単価も客数も高かった。3階のゴルフウエア売り場にも共通することだが、新規客がいる一方で、市場が安定期に入ると顧客を持ったブランドが強みを発揮する。「バーバリーゴルフ」「ヒールクリーク」など、「アルチビオ」に比べると顧客の年齢層は高いが、売り上げは安定している。客単価も決して低くない。ブランド特性により差はあるが、売り場担当者は「廉価品の流れに乗るべきではないと感じている」ようだ。

「アルチビオ」はイングス館のある大阪・梅田地区に直営店(「ハービスエント」内)を構える。その店舗でもリピーターを増やしており、ファンが買い回り、あるいは増えている点が成長の原動力になっている。また、阪急西宮ガーデンズで展開する「ビバハート」は、西宮の顧客が買いに訪れた。

イングス館ゴルフウエア売り場の11年春夏シーズンの滑り出しは若干苦戦気味。周辺の新規売り場(特にゴルフやスイム)との競合が多少影響していると分析する。しかし、アウトドアブランドを集積した「ギャレ大阪」が3月末で閉館、大丸梅田店はゴルフウエアを強化したが、5月4日に開業予定のJR大阪三越伊勢丹ではゴルフウエアはメンズカジュアルとして扱われる模様。したがって、それほど競合が厳しくなることはないため、顧客を呼び込めるチャンスだと捉えている。