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SPESA による報告会見
米国主要スポーツメーカーで進む生産効率化への取り組み

update: 2016/04/11

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JIAM開催に合わせて開催された共同会見。 右端がSPESAのガードナー氏

JIAM開催に合わせて開催された共同会見。
右端がSPESAのガードナー氏

SPESA(the Sewn Products Equipment & Suppliers of the Americas=NPO米国縫製品機器およびサプライヤー協同組合)のマネージング・ディレクター、デイブ・ガードナー(Dave Gardner)氏が4月7日、昨今の米国の縫製市場について報告会見を行った。JIAM(国際アパレル機器&繊維産業見本市、4月6-9日、於インテックス大阪)開催に合わせて来日した。米国主要スポーツメーカーで生産効率化への取り組みが進んでいる事例を報告した。

アンダーアーマー、ナイキ、ニューバランスが本腰

この報告会見は、来たる5月3-5日、米国・アトランタで開催されるテキスタイルや不織布の国際見本市「techtextil」(テクテキスタイル)よびテキスタイルや関連マテリアル加工に関する「texprocess」(テックスプロセス)の説明会見がベースになっている。合同で、独・フランクフルトで5月9-12日に開催される「techtextil」および「texprocess」の内容も披露された。

SPESAのガードナー氏は2年くらい前から、米国内向けのテキスタイル・縫製の生産拠点が同国内で増えていると指摘。20%だったその比率は現在50%にまで高まっているという。その上で、2つの傾向──“Re-Shoring”(リ・ショアリング)と“Near-Shoring”(ニア・ショアリング)があると説明。リ・ショアリングとは「生産拠点を米国内へ戻すこと」、ニア・ショアリングは「米国近辺へ生産拠点を移すこと」だという。

なぜこうした傾向に拍車が掛かっているのか? その背景には、「ラグジュアリーブランドが“イミディエイツ”(Immediates)と呼ばれる短納期生産体制を専門化しているため、多くのメーカーも“ジャスト・イン・タイム”の生産体制の構築を進めている」(ガードナー氏)ためらしい。

アンダーアーマーやナイキ、ニューバランスなどのスポーツメーカーも、こうした生産体制の効率化に取り組み始めているという。「例えば、アンダーアーマーは“Project Glory”と名付けて、スポーツシューズを対象に生産の効率化に取り組み始めている。シューズに関わる製造者を現状の135人から5人にまで減らそうとしている」(ガードナー氏)。