NIKE,Inc. 2021年5月期 連結決算
コロナ禍から回復、大幅な増収増益に
update: 2021/07/02
NIKE,Inc. 2021年5月期
財務数値一覧（表1）
NIKE,Inc.（ナイキ社）の2021年5月期連結決算は、コロナ禍から順調に回復し、大幅な増収増益を達成した。第4四半期（3－5月）は前年同期比で2倍近い増収、黒字回復を果たした。全地域で増収増益となった。
収益性が改善
連結の売上収益は445億3,800万米ドル（約4兆8,546億4,200万円、1米ドル＝109円で換算）、19.1％増と2ケタの増収。売上総利益率（粗利率）は44.8％（1.4ポイント増）と改善した。コロナ禍の損失が減少したほか、「NIKE Direct business」──いわゆる“DTC”ビジネスが貢献した。
NIKE,Inc. 2021年5月期
地域別・ブランド別売上高（表2）
営業利益は販管費が低下したこともあり、69億3,700万米ドル（約7,561億3,300万円、同）、122.7％増と大幅に回復した。税引前利益は66億6,100万米ドル（約7,260億4,900万円、同）、130.7％増。当期純利益も57億2,700万米ドル（約6,242億4,300万円、同）、125.6％増と大幅な増益となった（表1を参照）。
地域別では、主力の「North America」（北米）が売上高171億7,900万米ドル（約1兆8,725億1,100万円、同）、18.6％増と2ケタの増収。税引前利益（EBIT）も50億8,900万米ドル（約5,547億100万円、同）、75.5％増で、増収増益を果たした。「EMEA」（欧州・中東・アフリカ）は同114億5,600万米ドル（約1兆2,487億400万円、同）、22.6％増。「Greater China」（中華圏）は同82億9,000万米ドル（約9,036億1,000万円、同）、24.1％増だった。日本を含む「Asia Pacific & Latin America」（アジア・太平洋、ラテンアメリカ）は同53億4,300万米ドル（約5,823億8,700万円、同）、6.3％増（表2を参照）。
財務面も改善が見られる。自己資本が増加したことで、1倍を超えていたD/Eレシオが0.7倍と大きく改善した。手元流動性比率も3.0と増加した。商品回転率が微増し、粗利率が増えたため、交差比率が改善した。
