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決算展望 ④ヨネックス──通期は利益確保の見通し

update: 2021/05/12

ヨネックス、2020年3月期 財務数値一覧(表1)

ヨネックス、2020年3月期
財務数値一覧(表1)

主要な国内上場スポーツ企業の2021年3月期業績の見通しを展望する。最終回の第4回目はヨネックスを取り上げる。コロナ禍の影響を大きく受けたバドミントン競技を主力にするため、第1四半期を中心に苦戦を強いられたが、下期は持ち直している。

第2四半期以降は黒字回復

バドミントンは、シャトルの動きに影響を与えないよう、基本的には無風の状態でプレーされる競技だ。そのため、コロナ禍では「換気が困難」とされ、再開まで時間がかかった種目である。現在も完全には回復したと言えない状況にある。そのバドミントンを主力にするヨネックスは、第1四半期を中心に多大なマイナスの影響を被った。

ヨネックス、2021年3月期 業績予想(表2)

ヨネックス、2021年3月期
業績予想(表2)

第1四半期決算は、売上高が44.2%減、14億円の損失という極めて厳しい結果となった。しかし、第2四半期は30.6%の減収、経常段階で黒字を確保と回復の兆しが見え始めた。第3四半期は減収減益ながら、営業利益1億円、経常利益6億円、四半期利益2億円と、各段階で利益を確保した。

通期見通しは当初の目標数値を上方修正している。売上高は510億円、営業利益は1億5,000万円、経常利益は7億5,000万円と利益を確保できる見通しだ(表2を参照)。仕入れコストの低減などにより売上総利益率(粗利率)が想定を上回ったほか、販管費も減少したため、利益を計上できる見通しがたった。(終り)