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国内上場スポーツ企業、業績レビュー④ ヨネックス
通期は減収、損失を計上する見通し

update: 2021/02/04

ヨネックス、2021年3月期 通期業績見通し(表1)

ヨネックス、2021年3月期
通期業績見通し(表1)

国内上場スポーツ企業の決算開示を控え、主要各社の業績をレビューする。第4回目は、ヨネックスを取り上げる。他社同様、今期前半はコロナ禍に苦しめられたが、第2四半期では経常利益を確保するなど復調の兆しが見られた。主力のバドミントンの回復が収益のカギを握る。

バドミントンに加え、テニスにも注力

ヨネックス、2016年3月期 財務数値一覧(表2)

ヨネックス、2016年3月期
財務数値一覧(表2)

過去5年間の業績の変化を見ると、2016年3月期(2015年度)に541億円だった売上高は2020年3月期(2019年度)には619億円(14.4%増)と増収している。アジアビジネスが貢献した一面があった。売上総利益率(粗利率)は42.3%(0.9ポイント減)と減少した。販管費率は38.4%(1.2ポイント増)と増加している。

2015年度に32億円だった営業利益は、2019年度には24億円(26.2%減)と減少している。同様に経常利益、当期純利益も減少した。財務面は安定している。商品回転率の急減は、プレー機会が減ったことでバドミントンのシャトルなど消耗品の動きが鈍化した影響と考えられる。

ヨネックス、2020年3月期 財務数値一覧(表3)

ヨネックス、2020年3月期
財務数値一覧(表3)


地域別では、主力である「日本」の売り上げの落ち込みが上期で120億円(41.4%減)と大きかった。「アジア」は同80億円(7.5%減)と落ち込みの幅が小さかった。主力のバドミントンのほか、テニス市場における認知度の向上にも力を入れる。

通期の業績予想は、減収・損失計上。主力のバドミントンの回復が当初予測より遅れている事、販促費の増加が見込まれる事から、減収損失計上の見通しとなった。連結売上高500億円(19.3%減)、営業損失9億円(前期は営業利益24億2,100万円)、経常損失4億円(前期は経常利益22億6,500万円)、当期純損失5億円(前期は当期利益16億5,200万円)。