TOP > 財務分析レポート > 国内上場スポーツ企業、業績レビュー③ ...

国内上場スポーツ企業、業績レビュー③ デサント
通期では利益を確保できる見通し

update: 2021/02/03

デサント、2021年3月期 通期業績見通し(表1)

デサント、2021年3月期
通期業績見通し(表1)

国内上場スポーツ企業の決算開示を控え、主要各社の業績をレビューする。第3回目は、デサントを取り上げる。コロナ禍のほか、デサントコリアにおける不買運動なども重なり、前年度は損失を計上するに至った。今期も前半は苦戦が続いたが、主力の「デサント」ブランドが健闘するなど、徐々にプラスの材料が揃いつつある。

China市場の「デサント」ブランドが健闘

デサント、2016年3月期 財務数値一覧(表2)

デサント、2016年3月期
財務数値一覧(表2)

過去5年間の業績の変化を見ると、2016年3月期(2015年度)に1,357億円だった売上高は2020年3月期(2019年度)には1,245億円(8.3%減)と減収した。コロナ禍の影響のほか、韓国ビジネスの不振などが重なった影響もあった。売上総利益率(粗利率)は54.6%(1.6ポイント減)と減少。直営展開の多い韓国の売り上げが減ったことによる影響もあったようだ。販管費率は54.3%(5.7ポイント増)と相対的に増加した。

2015年度に103億円だった営業利益は、2019年度には3億7,900円と大幅な減益となった。同様に経常利益も減少。当期損益は24億8,100万円と損失を計上するに至った。一方で、China市場でAnta社と合弁事業を展開している「デサント」ブランドは堅調だ。今期の第2四半期時点で、難しい市況下にも関わらず売上高71億円(29.1%増)と健闘している。

デサント、2020年3月期 財務数値一覧(表3)

デサント、2020年3月期
財務数値一覧(表3)

通期の業績予想は、減収増益。連結売上高1,010億円(18.9%減)、営業利益5億円(31.7%増)、経常利益5億円(20.4%増)、当期純利益50億円(前期は24億8,100万円の当期損失)で、利益を確保できる見通しだ。