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アシックス、2020年12月期 第2四半期 連結決算
店舗閉鎖が影響し減収、損失を計上

update: 2020/08/14

アシックス、2020年12月期 第2四半期 財務数値一覧(表1)

アシックス、2020年12月期 第2四半期
財務数値一覧(表1)

アシックスの2020年12月期第2四半期(1-6月)の連結決算は、コロナ禍の影響による店舗閉鎖がマイナス要因となり、2ケタの減収となった。店舗の再開後は徐々に売り上げも回復してきている。また、本決算の開示時に非公表だった通期見通しを発表。連結売上高3,000億円、営業損失140億円、経常損失170億円の見通しだ。

主力の「パフォーマンス ランニング」が回復基調に

連結売上高は1,468億9,700万円(21.5%減)。春先を中心に発生した店舗の閉鎖が大きく影響した。売上総利益率(粗利率)は、粗利の高い商材を中心に扱うECの比率が増加したため、48.0%(0.4ポイント増)と微増した。販管費は削減が進んだものの、開催予定だった東京オリンピック関連の経費の発生もあり、営業損失38億7,300万円(前年同期は85億8,900万円の営業利益)を計上するに至った(表1を参照)。

アシックス、2020年12月期 第2四半期 部門別売上高(表2)

アシックス、2020年12月期 第2四半期
部門別売上高(表2)

地域別では、「オセアニア」(売上高85億円、1.4%増)を除く全地域で減収となった。「日本」や欧米、「東南・南アジア」の下げ幅が大きかった。「中華圏」(売上高185億円、0.7%減)は回復が早かったこともあり、ほぼ前年並みで着地した(表2を参照)。

カテゴリー別では、主力の「パフォーマンス ランニング」の回復が早く、下げ幅を最少に押し止めた。売上高が709億3,600万円(15.1%減)、営業利益が26億2,700万円(12.0%減)で、利益を確保した(表2を参照)。かねて懸案の「アパレル」については、「2021年度(2022年12月期)には何とかブレーク・イーブンへ持っていきたい」(廣田康人 代表取締役社長COO)考えだ。

チャネル別では、ECが順調な推移だった。売上高は233億円(103.3%増)と倍増。売上比率も16%(10ポイント増)と高まった。「日本」は6%とまだ低いが、「北米」が27%、「中国」が35%と海外市場で伸びている。今後も世界規模でECビジネスに力を入れる方針だ。

通期の業績見通しは、連結売上高3,000億円、営業損失140億円、経常損失170億円、当期純損失220億円。下期に売り上げは回復すると見ているが、粗利率の減少や経費増が発生すると予測し、損失計上になると予測している。