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アシックス、2020年12月期 第1四半期 連結決算
コロナ禍が影響し減収、損失を計上

update: 2020/05/26

アシックス、2020年12月期 第1四半期 財務数値一覧(表1)

アシックス、2020年12月期
第1四半期 財務数値一覧(表1)

アシックスの2020年12月期第1四半期(1-3月)連結決算は、コロナ禍の影響で減収となった。開催予定だった東京オリンピック関連の費用も発生し、損失を計上するに至った。欧米やオセアニアなどは、2月までの売り上げが計画比プラスで推移した。

ECが大幅な伸び

連結売上高は、853億4,100万円(13.5%減)。北米や欧州、中華圏が2ケタの減収となった。売上減に伴い売上高総利益も減少、東京オリンピック関連の費用が発生した影響もあり、営業損益は8億8,200万円の営業損失となった(前期は営業利益61億8,700万円)。同様に経常段階でも、31億4,500万円の経常損失となった(表1を参照)。

カテゴリー別では、ランニングシューズなどを含む主力の「パフォーマンスランニング」が売上高382億円(11.5%減)と苦戦した。2月までは対計画比でプラスの推移だったが、新型コロナウイルスの影響が足を引っ張った。ECビジネスは好調で、欧米や中間圏では前年同期比70%増だった。

アシックス、2020年12月期 第1四半期 カテゴリー別・地域別売上高(表2)

アシックス、2020年12月期
第1四半期 カテゴリー別・地域別売上高(表2)

競技向けシューズが主体で日本市場が中心の「コアパフォーマンススポーツ」は同114億円(9.3%減)。サッカースパイクシューズは健闘したが、卸先の店舗営業短縮の影響で減収に至った。「スポーツスタイル」は同73億円(17.9%減)。「オニツカタイガー」は同75億円(29.5%減)と落ち込んだ。売上規模の大きい中華圏の苦戦が大きかった(表2を参照)。

当面は「特に在庫管理の強化を徹底する」(廣田康人 代表取締役社長COO)構えだ。コストコントロールを進めると同時に、資金のマネジメントを強化して「手元流動性を高める」(廣田社長)。また、好調な推移のECビジネス(自社サイト、他社サイトを含む)を拡大させる。第1四半期のEC売上高は74億円(57.0%増)と好調に推移した。売上比率は8.7%(3.9ポイント増)と着実に伸びている。

通期の業績見通しは「未定」としている。廣田社長は「(コロナ禍の)ピークアウト、ボトムスルーの予測は難しい。中国の回復は早いが、今後は北米がどこまで戻ってくるかだろう」と今後の情勢を予測している。