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外資系スポーツ企業 主要上場4社、2019年12月期まとめ(下)
重要度が増すアジア市場

update: 2020/04/13

外資系スポーツ企業 主要上場4社、 2019年12月期 セグメント別売上高(表1)

外資系スポーツ企業 主要上場4社、
2019年12月期 セグメント別売上高(表1)

外資系スポーツ企業の主要上場4社の2019年12月期(2019年度)本決算のまとめ。今回はセグメント別の売上内容を比較する。対象はアディダス、プーマ、アンダーアーマー、アンタの4企業で、いずれも昨年12月に年度末を迎えた。

シューズ、アパレルがアイテムの柱に

昨今、スポーツ各社はフットウエア(シューズ)とアパレルを収益の柱に据える傾向が強くなってきている。特に売上規模の大きい企業ではその傾向が顕著になる。比較的小規模な特定種目に特化したスポーツメーカーは用具で優位性を発揮できるのに対し、マス市場を開拓する場合は高すぎる専門性が却って邪魔になるきらいがある。

アディダス社は、ルーツの「Footwear」(シューズ)が主力で、135億2,100万ユーロ(約1兆6,360億4,100万円、1ユーロ=121円で換算)、5.8%増。全売上の57%を占めている。「Apparel」(アパレル)は89億6,300万ユーロ(約1兆845億2,300万円、同)、9.0%増。売上比率は38%、日本円で約1兆円規模である。

外資系スポーツ企業 主要上場4社、 2019年12月期 財務数値一覧(表2)

外資系スポーツ企業 主要上場4社、
2019年12月期 財務数値一覧(表2)

プーマ社は「Footwear」が25億5,200万ユーロ(約3,087億9,200万円、同)、16.8%増で、「Apparel」が20億6,800万ユーロ(約2,502億2,800万円、同)、22.6%増。アディダスよりもバランスの良い比率だ。アンダーアーマー社は「Apparel」が34億7,000万米ドル(約3,747億6,000万円、同)、0.2%増。対する「Footwear」は10億8,600万米ドル(約1,172億8,800万円、同)、2.2%増。アパレルが売り上げの約66%を占めている。シューズを拡販することが継続した課題だ。

アンタ社は「Apparel」が213億9,700万元(約3,209億5,500万円、同)、45.5%増で、「Footwear」(シューズ)も114億900万元(約1,711億3,500万円、同)、32.2%増。アパレルが、全売上の約60%を占める主力商材になっている。

高い伸び率のアジア・太平洋地域

各社は拠点の国や地域、商材に加え、新しい収益の柱になる分野を模索している。新市場では、「Asia-Pacific」(アジア・太平洋地域)を伸ばしているケースが多い。アディダスは「Asia-Pacific」が売上高80億3,200万ユーロ(約9,718億7,200万円、同)、12.5%と主力になっている。プーマでは、「Asia-Pacific」の売上高は15億5,600万ユーロ(約1,882億7,600万円、同)、26.0%増。売上規模はまだ小さいが、伸び率が最も大きい。

アンダーアーマーの「Asia-Pacific」の売上高は、6億3,600万米ドル(686億8,800万円、同)、14.2%増。売上比率は12%に過ぎないが、伸び率は最も大きい。アンタは上海を拠点にし、中国本土を主戦場にしている。他社と異なり、国外市場の本格的な開拓はこれからである。(終り)