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主要各社の業績展望Vol.5 「ヨネックス」
バドミントン用品、アジアが貢献

update: 2020/01/21

ヨネックス、2018年度・2015年度 財務数値一覧(表1)

ヨネックス、2018年度・2015年度
財務数値一覧(表1)

2020年度のスポーツ主要各社の業績展望の最終回は、ヨネックスを取り上げる。バドミントンを強みにし、着実に業容を拡大してきた。今期はやや伸び悩んでいるが、収益性は安定している。アジアビジネスが堅調である。

手堅い財務状態、課題は業容の拡大

参考にする資料は、2019年3月期(2018年度)および2016年3月期(2015年度)の実績。過去3年間でどれだけ、収益に変化があったかを比較する。別途、添付した今期(2020年3月期=2019年度)の第2四半期の業績も参考にされたい。

ヨネックス、2020年3月期 第2四半期 財務数値一覧(表2)

ヨネックス、2020年3月期 第2四半期
財務数値一覧(表2)

2015年度に541億円だった売上高は、2018年度には610億円にまで増加した。アジアや北米など国外ビジネスの貢献度も大きい。国内ビジネスは、バドミントンを主力に2019年3月期は売上高387億円(2.2%減)とやや減収した。しかし今期(2020年3月期)の第2四半期は同205億円(4.3%増)と健闘した。

主力ビジネスは「バドミントン用品」で、全売上の約60%を占めている。「テニス用品」は10%強で、まだ伸ばせる余地がある。売り上げが伸び悩んでいるテニスビジネスだが、契約プロの大坂なおみ選手の相乗効果も活かし、業容を拡大したいところだ。

今期(2020年3月期)の第2四半期は、アジアビジネスが売上高86億円(5.0%増)と堅調だった。中国および台湾において、バドミントン用品が好調だった。営業利益も8億円(9.9%増)で増益を達成した。

利益面では、戦略的な投資を推し進めていることもあり、2015年度に比べ2018年度は営業利益が32億円から24億円へ減少している。財務面が安定しているため、当面の不安材料はなさそうだ。売上規模の拡大、利益率の改善により、収益性が高まると考えられる。効率性指標において、商品回転率が高めだが、これはバドミントンのシャトルやテニスボールなど消耗品の売り上げが一定額あるためだ。

今期は、売上高635億円(3.9%増)、営業利益24億円(0.7%増)、経常利益24億円(1.2%増)で増収増益を目指す。(終り)