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ゴールドウイン、2019年3月期 連結決算
過去最高の収益を達成

update: 2019/05/15

ゴールドウイン、2019年3月期 財務数値一覧(表1)

ゴールドウイン、2019年3月期
財務数値一覧(表1)

ゴールドウインの2019年3月期の連結決算は、強みのアウトドア事業がけん引役となり、過去最高の売上額および利益を達成し、増収増益となった。併せて、店頭商材の消化効率の改善が進んだことで、利益率が大幅に向上した。当期の高業績を受けて、中期経営計画の目標数値を上方修正した。

強みのアウトドア事業がけん引役に

連結売上高は849億3,400万円(20.6%増)と2ケタの増収を達成した。暖冬で同業他社が苦戦傾向だった秋冬商戦だが、着実にプロパー消化を進め、売り上げを確保した。特に、主力ブランド「ザ・ノース・フェイス」を中心とした「アウトドア関連」ビジネスが売上高646億9,500万円(30.8%増)と好調に推移したことが、高い収益性に貢献した。

売上高は23年ぶりに最高額を更新したほか、利益も各段階で過去最高益を達成した。昨今、メーカーで営業利益率(14.0%)が2ケタを超える事例はあまり見かけない。グローバル展開するSPAアパレル企業や大手外資系スポーツメーカーでは事例があるものの、国内企業では珍しい。数年来、取り組んできた実需型ビジネスの精度アップが、収益性の向上において、着実に貢献している点が大きい。

ゴールドウイン、2019年3月期 ブランド事業別売上高(表2)

ゴールドウイン、2019年3月期
ブランド事業別売上高(表2)

好業績をけん引したのはアウトドア関連事業で、タウンユースに代表される“ライフスタイル”系のニーズを取り込めた面も大きい。併せて、卸事業も好調な推移だった。前述のライフスタイル系需要に加え、得意とするアウトドアなどスポーツ専門店における取扱額も順調に増加した。今期も売上高700億円(8.2%増)と、引き続き堅調な推移を予想している。

中期計画の目標数値を上方修正

「アスレチック関連」事業は伸び悩んだが、今秋日本で開催されるラグビーワールドカップの相乗効果も期待できるため──日本代表チームのウエアを同社が展開する「カンタベリー」ブランドがスポンサードしている──今期は153億円(10.4%増)と2ケタの増収を見込んでいる。

当期の好調な業績を受け、中期計画の目標数値を上方修正した。最終年度=2021年3月期において、売上高970億円、営業利益135億円、経常利益150億円、ROE20%以上を目指す。

通期の業績見通しは、売上高920億円(8.3%増)、営業利益125億円(5.4%増)、経常利益138億円(6.3%増)、当期純利益97億円(4.9%増)。引き続き、増収増益を計画している。