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主要上場スポーツ企業の2018年度を展望する③
ゴールドウイン、当初予想から大幅な上方修正

update: 2019/04/26

ゴールドウイン、2018年3月期 財務数値一覧(表1)

ゴールドウイン、2018年3月期
財務数値一覧(表1)

2019年3月期決算の開示を5月に控える主要上場スポーツ各社の業績を展望する。第3回目はゴールドウイン。主力の1つ、アウトドアビジネスが好調で、当初予想から大幅な上方修正を実施した。売り上げ、利益共に2ケタの増収増益になる見込みだ。

「ザ・ノース・フェイス」を中心にアウトドア事業が絶好調

ゴールドウイン、2018年3月期 ブランド事業別売上高(表2)

ゴールドウイン、2018年3月期
ブランド事業別売上高(表2)

修正後の通期見通しは、売上高が830億円(10.7%増)、営業利益は112億円(49.3%増)、経常利益が121億円(51.3%増)。売り上げ、利益共に、2ケタの増収増益を見込んでいる。昨年の本決算発表時に公表した2018年度の通期見通しは、売上高750億円(6.5%増)、営業利益75億円(5.6%増)、経常利益80億円(2.1%増)、当期純利益53億円(2.4%増)だった。

好調な収益を支えているのは、「ザ・ノース・フェイス」ブランドを中心としたアウトドア事業だ。2018年度の第2四半期決算では、売上高234億2,400万円(26.7%増)と2ケタの増収で、第3四半期も好調を持続している。本来、決算を扱う記事で誇大表現は避けるべきだが、絶好調と表現しても差し支えないだろう。

これだけ同社のアウトドアブランドが支持されている背景には、カジュアルユースのニーズが広がっている面がある。アウトドアという軸足は変わらないが、利用するエンドユーザーが、本来アウトドア向けのブランドをカジュアル、ファッションブランドとして認識している点が大きいようだ。

第2の柱、アスレチック関連の第2四半期の業績は、売上高73億300万円(4.4%減)とやや伸び悩んだ。アウトドア事業が好調なうちに、収益性を高めることが当面の課題だろう。ウインター関連事業は同7億4,100万円(1.9%減)と微減収だった。

ゴールドウイン、2019年3月期 業績見通し(表3)

ゴールドウイン、2019年3月期
業績見通し(表3)

アウトドア関連事業の売り上げが全社に占める比率が約70%で、文字通り収益の柱になっている。主力事業が好調のうちに、アスレチックやその他の事業などの業容・収益性を高めたいところだ。アウトドアの強みの1つである、自主編集売り場の展開も、アスレチック分野において徐々に進んでいる。