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主要スポーツ小売店、2018年度業績まとめ

update: 2018/09/14

主要スポーツ関連小売店5社、最新決算 財務数値一覧(表1)

主要スポーツ関連小売店5社、最新決算
財務数値一覧(表1)

アルペンの2018年度決算が開示され、2018年度の主要スポーツ小売店の業績が出揃った。決算期にばらつきがあるため、純然たる比較対象にはなり得ないが、途中経過の業績数値として参考にされたい。

スポーツ専業では、ゼビオHDがトップ

ヒマラヤ、2017年8月期 財務数値一覧(表2)

ヒマラヤ、2017年8月期 財務数値一覧(表2)

対象とした企業は5社(アルペン、ゼビオホールディングス、ヒマラヤ、メガスポーツ、エービーシー・マート)。最新の決算はアルペンの2018年6月期である。増収・減益の結果で、一般スポーツやウインター分野で在庫消化を促進した影響で減益となった。

連結売上高は、ゼビオホールディングス(2018年3月期)が2,345億9,500万円(5.0%増)と、アルペンの2,276億7,500万円(3.5%増)を抜いて、スポーツ専業では前期に引き続き国内トップになった。靴専門店という業態は異なるが、エービーシー・マートが2,542億8,300万円(6.4%増)とゼビオホールディングスの売上規模を上回っている(表1を参照)。

財務状況は、ヒマラヤとメガスポーツを除く3社は良好である。アルペンとゼビオを比較すると、ゼビオの方が利益率は高い。販管費率を低く抑えられている点が利益増に貢献している。商品回転率および売上高総利益率(粗利率)はほぼ同水準。資本回転率も似通っている。流動性指標では、両社ともに安定した数値。手元流動性比率も1月以上あるし、D/Eレシオも正常値と言われる0.3倍以内に収まっている(表1を参照)。

エービーシー・マートは前述の2社よりも良好な財務状態だ。D/Eレシオは無視してもいい低水準だし、手元資金も潤沢である。改善の必要性があるのはヒマラヤとメガスポーツ。両社ともに、財務面――バランスシートが重い。ヒマラヤのD/Eレシオは0.1ポイント改善しているが、0.5倍とやや高い水準である。メガスポーツは利益を計上していた前期から一転して、損失計上に至った。前売りの改善と経費削減が喫緊の課題だ。