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スポーツ上場6社、2018年3月期 連結決算まとめ(上)
おしなべて堅調な推移、5社が増益を達成

update: 2018/05/21

スポーツ上場6社、2018年3月期 財務諸表(表1)

スポーツ上場6社、2018年3月期
財務諸表(表1)

スポーツ上場企業6社の2018年3月期決算が出揃った。対象企業は美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼット、グローブライド(順不同)。各社の得意分野が異なるため厳密な比較は難しいが、5社が増益を達成するなど、全体的に堅調な推移が目立った。

増収・増益はデサント、ゴールドウイン、グローブライド

計6社の内、増収・増益を達成したのはデサント、ゴールドウイン、グローブライドの3社だった。増益を達成したのはヨネックスを除く5社で、堅調な推移の企業が大半を占めた(表1を参照)。

ミズノは売上高が微減収だったが、苦戦していたゴルフ事業や国内の競技系事業が好調だったため、増益を達成した。利益面が大幅に改善した。フットウエア(シューズ類)が北米を中心に苦戦したが、用具類、スポーツ施設などサービス事業が堅調だった。

また、懸案だった米州ビジネスが大幅に改善した。売上高208億円(14.0%減)と減収だったが、収支面は前期25億円の営業損失が2億円にまで縮小した。欧州も売上高が143億円(6.0%減)と減収したが、営業損失が前期2億円から数千万円に改善した。アジア・オセアニアは売上高209億円(1.0%増)、営業利益10億円(9.1%減)と安定した推移だった。今期の課題は苦戦したフットウエアの回復。「市場のトレンドであるカジュアル系シューズも強化したい。競技分野ではテニスやインドアシューズも強化ポイント」(水野明人 代表取締役社長)だ。

デサントは引き続きアジアビジネスが堅調だったほか、国内事業も好調な推移だった。社名ブランドの「デサント」が連結売上高の約42%を占めるまでに拡大した。収益性の改善は、在庫の適正化を視野に入れた「商品の消化率が改善したこと」(石本雅敏 代表取締役社長)が大きいという。直営店の売上高は前年比8.5%増、Eコマースは27.0%増(自社サイトのみ)だった。今後、EC比率は高めていく計画だが、「リアル店舗を活用したい」(石本社長)という基本方針がある。実店舗の規模を超えて、ECを拡大することはなさそうだ。(続く)