ゴールドウイン、2018年3月期 連結決算
主力のアウトドア事業が好調で増収、過去最高益を達成
update: 2018/05/16
ゴールドウインの2018年3月期連結決算は、主力のアウトドア事業が好調だったことから、2ケタの増収に至った。増収は8期連続で、初めて3カ月ごとの四半期──通年で黒字を達成した。利益面では、各段階で過去最高益を更新した。25年ぶりの最高益更新となった。
「実需型ビジネスが形に表れる」
連結売上高は704億円(15.6%増)の2ケタ増。冬場の気温が順調に低下した気候の後押しもあり、主力のアウトドア事業が494億円(24.9%増)と好調に推移、収益改善のけん引役になった(表2を参照)。また、強化を続けている自主管理売り場、新規チャネルのEコマースも好調な推移だった。連結売上高に占める自主管理売り場の比率は56%(2ポイント増)と高まった。直営店舗数は140店(4増)と増加した。
収益が改善した大きな要因は、「実需型ビジネスが形になって表れたこと」(西田明男 代表取締役社長)だと説明する。“適時適品”で、エンドユーザーが求めるタイミングで効率良く商材を提供できたことが、在庫の効率的な消化につながり、収益性を高めたようだ。
ブランド事業別では前述の通り、アウトドア事業が好調に推移した。アスレチック事業は3.3%減と苦戦したが、アウトドア事業で展開しているアスレ系商材を加えたアスレチックの集計では、3%増と堅調な推移だった。Eコマースは売り上げの約5%(約35億円)と少ないが、伸び率は50%増と順調に増えている。将来的には、売上比率を10%にまで高める計画だ。
財務面は安定している。「ウールリッチ」ブランドの株式取得に伴う借入金が増えたことで、D/Eレシオが微増しているが、正常値と言われる範囲内にとどまっている。営業利益率は10%台に達した。平均的なメーカーの水準と比べると高い数値である(表1を参照)。
通期の業績見通しは、連結売上高750億円(6.5%増)、営業利益75億円(5.6%増)、経常利益80億円(2.1%増)。