主要スポーツ系小売店5社、決算まとめ(下)
粗利確保、回転率の改善がカギに
update: 2016/10/25
民生法申請から落ち着いた「スポーツオーソリティ」
今後は、慢性的な暖冬傾向や、早期化するセール時期、継続的な出店数の増加など、粗利を確保しにくい環境が普通になりつつある。出店では、スクラップ&ビルドを繰り返し、効率の良い店舗を確保していくことが継続した課題だろう。
一方で、有力スポーツメーカーやスポーツブランドとの深い関係構築も不可欠になってきた。メーカー側も在庫管理を厳格化しており、店舗側から見ると“売れ筋商材”が確保しにくくなっている。販売力=プロパーで消化できる力を付けないと、他社との差別化や住み分けが難しくなってきている。
先ごろ、連邦倒産法第11条(Chapter11=チャプターイレブン、日本の民事再生法に該当)を申請した米国・スポーツオーソリティ社(TSA社)。日本ではメガスポーツが同じ屋号で運営している。今年8月17日にTSA社が所有するメガスポーツの自社株19.94%を買い取り、イオングループの完全子会社になった。同時に「スポーツオーソリティ」の屋号も買い取り、今後も引き続き国内で営業を続けることが確定した。最近は、スニーカーブームの後押しもあり、スポーツシューズのセレクトショップ「コーナーズ」の出店に力を入れている。
今秋も暖冬傾向が続いており、8-9月の店頭業績はあまり芳しいものではない。各社はどのようにして収益を確保していくのか、今後の取り組みや推移が注目される。(終り)