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勢いが加速する外資系スポーツメーカー②
アディダス、年間2ケタ近い成長を目指す

update: 2016/04/28

adidas Group、 2015年12月期 財務諸表

adidas Group、
2015年12月期 財務諸表

日本円で連結売上高がおよそ2兆1,000億円(1ユーロ=125円で換算)のadidas Group(アディダスグループ)。ナイキ社に次ぐ世界第2位のスポーツメーカーだ。ナイキ社のグループ売上高が約3兆4,000億円規模なのでおよそ1兆円余の差がある。2020年までの財務上の計画を公表しているほか、強化する地域や顧客とのつながりを重視する方針も掲げている。

ロシア、日本、韓国市場の伸びに期待

アディダスグループは2020年度まで毎年、高い数値での1ケタ台の増収を目指している。「アディダス」および「リーボック」ブランドがそのけん引役になる。またボトムライン=最終利益(当期純利益)は毎年、15%前後の成長を目指す。

同グループは世界で2,700を超える直営店、1万1,000を超えるモノブランド(いわゆるオンリーショップ)のフランチャイズ、11万6,000を超える卸先を持っている。こうした流通網を活用し、“オムニチャネル”に着目した流通政策を強化する。中でもEコマースは最も早く成長するチャネルだと見ており、その売上高は2020年までに20億ユーロ、日本円で約2,500億円に達すると予測する。

今後、伸び代が期待できる地域として、ロシア、日本、韓国を掲げる。まだ市場シェアが一番ではないが、リーダーシップを発揮できる地域として、西欧、中華圏、新興市場を掲げる。これから大きな成長が期待できる地域は、北米、ラテンアメリカ、東南アジアと見ている。

2015年12月期(2015年度)は増収増益を達成した。2016年シーズンも2ケタ増の計画だ(別表参照)。主力のシューズがけん引役になっている。地域別では、西欧がトップで以下、北米、中華圏、中東・アメリカ・その他アジア地域と続く。