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東洋紡STC、「東洋紡グループ繊維総合展」
横軸で機能性素材をアピール

update: 2018/12/10

総合展のテーマは「every.(エブリ)」。 「全ての素材の融合の場。」 というサブタイトルを掲げた

総合展のテーマは「every.(エブリ)」。
「全ての素材の融合の場。」
というサブタイトルを掲げた

東洋紡STCがグループ会社を横断する形で、機能素材の総合展「東洋紡グループ繊維総合展(IC&I:市)」を開催した。同グループの総合力を発揮し、相乗効果を高める狙いがある。スポーツ向けの機能素材では、カジュアルやインナーなど、新規分野への採用拡大も視野に入れる。

定番ストレッチ素材が拡大傾向

従来はスポーツやインナーなど、各部署で個別に開催していた素材展。より組織力を高め、相乗効果を発揮する目的で、今回の2020年春夏シーズン展から、総合展として開催した。テーマは「every.(エブリ)」で、「全ての素材の融合の場。」というサブタイトルを掲げた。

出展分野はスポーツのほか、インナー、ユニフォーム、スクール、寝装、グループ会社の1つである日本エクスラン工業が手掛けるアクリル、アクリレート系繊維などを提案した。

高捲縮のポリエステルの仮撚糸を高次加工した 「CRIMPEL®HINERI」

高捲縮のポリエステルの仮撚糸を高次加工した
「CRIMPEL®HINERI」

スポーツ分野では、「SOTOE™」(ソトエ)を提案。ナイロンと綿を組み合わせた生地で、衣服内の熱を速やかに外へ放出する機能を持つ。熱伝導性の高い繊維構成により、放熱効果を高めた。そのほか、「CRIMPEL®HINERI」(クリンペルヒネリ)を提案。高捲縮のポリエステルの仮撚糸を高次加工し、ドライな風合いとストレッチ性を付加した。ハイゲージ化したことで透けにくいほか、速乾性も併せ持つ。

定番素材に成長したポリエステルのストレッチ糸を使った「テクニスタ®48」と、高捲縮ポリエステルを組み合わせたジャージー素材「アクセンシャル®ゼブラ」の組み合わせ採用が定着してきたという。主にトレーニングシーンなどにおいて、広く定番素材として使用されている。また両素材において、今回初めて“ナイロン”を使用した生地も開発した。ストレッチやキックバック性といった、従来素材と共通する機能性を持つ。

今年9月に発生した敦賀機能材工場の火災の影響で、主にアウトドアに採用されている高密度ナイロン織物の生産が滞っている。主力素材「シルファイン®」の代替品などで対応しているというが、体制を立て直すにはしばらく時間がかかるようだ。織物製品は好調な推移だというが、火災の影響もあり通期は低調な見通しだという。