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主要素材メーカー、2019年秋冬展まとめ(上)
住み分けできる独自素材を強化中

update: 2018/07/30

東レの発色性に優れるナイロン素材 「深発色™ナイロン」

東レの発色性に優れるナイロン素材
「深発色™ナイロン」

主要素材メーカーの2019年秋冬シーズン展の傾向をまとめた。対象企業は東レ、帝人フロンティア、東洋紡STC、ユニチカトレーディング、旭化成アドバンス(順不同)。各社共に、優位性を発揮できる独自素材、カジュアルやユニフォームなどスポーツ分野以外の開拓に力を入れている。

カジュアルを意識した提案が一般化

帝人フロンティアの新しいスエット素材 「フリーモ®PRO」

帝人フロンティアの新しいスエット素材
「フリーモ®PRO」

共通した傾向の1つが、他社との独自性が発揮でき、住み分けが図れる機能素材の開発。得意分野を深掘りすることで、さらに強化を図る狙いがある。また、そういった戦略素材を深掘り+横への汎用――タウンユース、カジュアルへ広げていこうとする動きも一般的になっている。

東レは、発色性に優れるナイロン素材「深発色™ナイロン」を新たに開発・提案している。ナイロンのポリマーを改質した色落ちしにくい繊維構造で、“鮮やかな色目”と“実用性に適う堅牢度”が特長だ。

帝人フロンティアは、新しいスエット素材「フリーモ®PRO」を開発・提案した。スポーツウエアのマスマーケットでは、ジャージーの不振が慢性化し、代わりにスエット生地が新しい定番になりつつある。こうした流れを受けて、タウンユースも意識した「フリーモ®PRO」を開発した。ソフトな風合い、肉厚・嵩高、防汚性、吸汗速乾性などが特長。バランス良く機能性を追求している。用途はランニングやヨガ、ゴルフなどのほか、カジュアルシーンも想定している。

東洋紡STC。3層構造の断熱保温機能を有する新素材 「オンタイム」

東洋紡STC。3層構造の断熱保温機能を有する新素材
「オンタイム」

東洋紡STCは、3層構造の断熱保温機能を有する新素材「オンタイム」を提案した。性質の異なる糸を3層構造にしている。肌側に起毛層、表地にはボリュームのある高捲縮のストレッチ層を配置。間に断熱層を置いた。ストレッチ性を持つが、一般的なフリース素材と比べて、安定した保温性を発揮する。(続く)