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帝人フロンティア、機能素材 2019年春夏展
嵩高素材と、ニットラミネートの新素材を提案

update: 2017/12/06

ニットラミネートの新素材 「ファインセル®」

ニットラミネートの新素材
「ファインセル®」

帝人フロンティアは、機能素材の2019年春夏シーズン向け展示会で、嵩高素材「デルタ®フリーモ®」と、ニットラミネートの新素材「ファインセル®」を2つの柱素材として提案した。

上期は、増収・増益の推移

前回の展示会で提案した嵩高素材「デルタ®フリーモ®」は、順調に受注量を増やしているという。肉厚で、質感のある風合いが特徴の素材で、スポンジ用の構造を持つ。昨今、アスレチックを主体に従来型の“ジャージー”素材のニーズが減っているが、反対に“杢調”など、カジュアルシーンでも使用可能な、新しい風合いを持ったスウェット調の生地が主流になりつつある。「デルタ®フリーモ®」はこうした昨今のトレンドに合致した素材である。

順調に受注量を増やしつつある 嵩高素材「デルタ®フリーモ®」

順調に受注量を増やしつつある
嵩高素材「デルタ®フリーモ®」

今回の展示会で、新たに提案した素材は、ニットラミネートの新素材「ファインセル®」。“生”のポリエステル素材を100%使用した生地で、特有の光沢感、風合いが特徴だ。スポーツやアウトドアシーンを想定した素材で、ニット素材に透湿フィルムを張り合わせている。

こうした従来型の“透湿防水”素材は、防水性に優れる半面、十分な透湿性が得られなかった。ニットラミネートの新素材「ファインセル®」は透湿性を重視した機能性の設定に加え、細い“非捲縮糸”を使い、編立の工夫により適度なストレッチ性を持たせている。課題は、薄地ゆえに“縫製”が難しいこと。展示会への提案に漕ぎ着けた今回の商品開発だが、実用化にはいくつか克服するべき課題があるようだ。

上期の業績推移は、増収・増益だった。前年同期比および対計画比でも、プラスの推移だったという。下期も引き続き、増収・増益基調だという。主力素材に成長した「デルタ®」の業績が健闘しているほか、輸出事業も堅調だという。