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デサント
石本恵一 元代表取締役会長 「お別れの会」を開催

update: 2013/01/31

約1,300人が参列した「お別れの会」

約1,300人が参列した「お別れの会」

昨年12月12日に亡くなったデサントの石本恵一(いしもと・よしかず)元代表取締役会長の「お別れの会」が1月25日、大阪市内のホテルで開催され、約1,300人が参列した。お別れの会委員長をゼットの渡辺泰男代表取締役会長が務めたほか、友人代表として元巨人の名選手・王貞治氏が弔辞を読み上げた。

座右の銘は「真心経営」

石本元代表取締役会長は1935年12月の生まれ。1960年、創業者で父だった石本他家男氏が経営する石本商店(現 デサント)に入社した。63年にはデサントの取締役に就任。82年には代表取締役社長に就任する。94年6月に代表取締役会長に退くまで約12年間、同社の指揮を執った。

大幅な赤字を計上した84年の株主総会では、8時間にわたる株主の詰問にも真摯に受け答えしたという。座右の銘が「真心経営」。生前、「人と人とのふれ合いを大事にして、真心をもってあたれば必ず信頼を得られます」と語っていた。

石本元会長の思い出を語る王貞治氏

石本元会長の思い出を語る王貞治氏

友人代表として弔辞を読み上げた王貞治氏は石本元会長の人となりについて、「関西弁のきつさがなく、優しさの表れた口調だった。相手を思いやる方で、怒ったところを見たことがない」と語った。また、「人づてに、私の前と会社にいる時とでは態度が全然違うと聞いた。会社では危機感を持って取り組まれたのだと思う。私も若い(選手の)時は、勝負の場所にいるのでどうしてもそうなってしまったのだが、自分が一番だと思ってやっていたので、(温和な)会長には色々勉強させてもらった」と語った。

現在、同社の主力商材の1つであるゴルフウエアブランド。ゴルフが大好きで、王氏とよくラウンドしたという石本元会長が身に付けていたのは、現在でも根幹ブランドの「マンシングウェア」だった。そのプレースタイルは「力任せのゴルフではなく、テクニシャンだった」(王氏)。王氏は最後に、「デサントの社員の皆さんには石本元会長の遺志を継いで、がんばろうという気持ちにつなげてもらいたい」と締めくくった。

石本元会長の享年は77歳。奇しくも、デサント創業から77年が経っていた。自身のほとんどの時間を会社につぎ込んだ生涯だった。