TOP > 企業レポート > アシックス、第5回インベストメントデイ...

アシックス、第5回インベストメントデイを開催
2023年にEC売上比率20%台半ばを目指す

update: 2021/11/26

デジタル技術活用によるサービス提供の 収益化を目指している

デジタル技術活用によるサービス提供の
収益化を目指している

アシックスが11月17日、投資家やメディア向けに第5回インベストメントデイをオンラインで開催した。テーマは「デジタル戦略」で、現状15%のEC売上比率を2023年には20%台半ばへ拡大させるなど、自社の中期的な方針を説明した。

デジタル技術によるサービス提供の収益化も視野に

同社の「デジタル戦略」は、経営計画「VISION2030」にも重要な取り組み領域に取り上げられている。主力のプロダクト(製品)事業に加え、サービスなどの新しい価値をエンドユーザーに提供する事も視野に入れている。当面はECビジネスの強化、拡大がメーンとなる。2018年に4%だったEC売上比率が今期(2021年12月期)の第3四半期には15%まで増加した。2023年には20%台半ばにまで拡大する計画だ。

廣田康人 代表取締役社長COOは同社のデジタルビジネスの現在地について、「まだまだ発展途上だと思う。現状は投資を行う段階だと考えている」と説明した。卸や直営店と比較すると、ECの粗利率が64%と最も高いため、当面はECを活用した物販による収益確保が主流になる。

リアル店舗においては、2年前にオムニチャネルのシステムを構築した。店頭で商品を確認してECで購入する、またはその反対ができるようなシステムの完成を進めている。DTC(Direct to consumer)の比率を増やしていくことが基本だが、「ホールセール(卸)のデジタル化も進んでいるので、うまく連携していきたい」(廣田社長)とも考えている。

加えて現在、デジタル技術を活用したサービスの提供の体制作りにも取り組んでいる。個人向けの自身のランニングデータを記録できるカシオ計算機との協業、グループ企業のRunkeeperとRace Rosterが競業したバーチャル駅伝など、エンドユーザーを取り込み、デジタル技術を応用したサービス提供実現への試み、環境整備を進めている。行く行くは「デジタル・サービスの提供においても収益が得られる」(廣田社長)と考えている。