ミズノの2013年春夏方針
独自性ある機能性を追求、一般ユーザーにも照準

update: 2012/07/17

ミズノの2013年春夏シーズンの方針は、競技分野では強みの差別化できる機能性の提案に力を入れる。ウエルネス分野では、引き続き好調な“ランニング”を主な切り口にする。また、スポーツ競技で蓄積してきたノウハウを生かし、日常シーンに活用できる新しい商品を提供する。

ユーザー層の拡大が期待できる“ランニング”シューズ

ランニングマーケットはユーザーの年齢幅が広く、女性も参入しやすい環境のため、引き続き各社が力を入れていくカテゴリーだ。ミズノもランナー層の広がりをとらえ、従来のシリアス層である「パフォーマンスランナー」に加えて、日常生活の中にランニングを取り入れている「ソーシャルランナー」への取り組みを強化する。巷間でよく「ファンランナー」と呼ばれている層である。

新たに「RUN&PEACE」というメッセージを設定した。「自分らしい走り・個人に見合ったレベルの走りや楽しみ方」といった意味を込めている。競技分野に強みを持つ同社としてはソフト路線である。

トレーニングアパレルはパーソナル強化

ランニング市場とも連動する面のあるマルチトレーニングアパレル。デザイン性を取り入れた新しいトレーニングウエアが競技者層や一般のスポーツ愛好家から広く支持を集めた。イメージキャラクターにトップアスリートのイチロー選手や本田圭佑選手を起用したことにより売り場の発信力が強化され、認知度アップと拡販に貢献したようだ。

より競技者層向けの「プロフェッショナル」やスポーツ愛好家向けの「レボリューション」のほかにトレンドを意識したライン「カラーズ」があった。この「カラーズ」を13年春夏からリニューアルし、「NXT」（エヌエックスティー）という新しい名称でスタートする。トレンドを意識する競技者やパーソナルユーザー向けのウエアに位置付ける。色の使い方やレディスモデルのシルエットを改めた。また「プロフェッショナル」などで使用しているライン（線）デザイン「MCライン」をアクセントにしている。

ウオーキング分野では、従来の主力顧客層である中高年に加え、新しい年齢層を取り込むための新ライン「LTシリーズ」を展開する。スニーカーテイストのデザインを採用し、長時間履いても疲れにくいという日常履きを想定する。

2011年度で女性用ウオーキングシューズ「MIZUNO SELECT」が1万足の売上実績を挙げた。買い物や旅行などカジュアルシーンでウオーキングを楽しむ30－40代の女性をメーンターゲットにしたシューズだ。サッカースパイクなどに使用される3Dの木型設計を採用しており、高いフィット感や素足感覚が支持を集めたようだ。