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デサント、通期見通しを公表 減収増益の計画

update: 2020/07/16

デサント、2021年3月期 通期業績見通し(表1)

デサント、2021年3月期
通期業績見通し(表1)

デサントが7月15日、通期(2021年3月期)の業績見通しを公表した。コロナ禍の影響で売り上げは減るが、増益になる計画。当期純利益は、中国の合弁会社の再編(後述)に伴う持分変動差額(特別利益)を計上することもあり、前期実績を大幅に上回る見通しだ。

中国の子会社再編で特別利益を計上へ

公表された通期の業績見通しは、連結売上高1,010億円、営業利益5億円、経常利益5億5,000万円、当期純利益50億円(表1を参照)。売上高は前期比で18.9%減の計画だ。このうち、コロナ禍による落ち込みが約15%と見込んでいる。その他は「イノヴェイト」など赤字事業の清算、譲渡によるもの。

利益面では、第3四半期(韓国、中国は7月以降)以降に売り上げが一定水準まで回復すると予測。下期は黒字の計画を立てている。当期純利益の大幅な回復は、中国の合弁会社の再編に伴う特別利益を計上する影響である。

中国の合弁会社の再編は、地元のスポーツ企業・Anta社との取り組み。デサントが設立した100%子会社で、「デサント」ブランドの中国における商標権を保有する管理会社(以下DC-IP)の株式を、Descente China Holding Limited(ケイマン諸島、以下DCH)へ現物出資して持ち株比率を引き上げる。DCHはAnta社、デサントの筆頭株主の伊藤忠商事、デサント各社の子会社を通じて共同出資し、設立された。

再編後は、DC-IPの株式90%をDCHが所有する。残りの10%はデサントグループが引き続き所有する計画だ。併せてデサントグループは、DCHの株式を追加取得し、持ち株比率を40%(現在は30%)まで高める予定。中国の現地において、より「デサント」ブランドの拡販を図ることが大きな目的である。

Anta社を通じて展開する「デサント」ブランドの中国販売は、順調に推移している。2019年度は売上高137億円(71.3%増)、当期純利益4億8,000万円を確保し、ブランド立ち上げ後3年目で黒字化を達成した。今期もコロナ禍の中で健闘しており、通期では200億円(46.0%増)の計画を立てている。