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デサントの新中期経営計画──再び目指す成長路線(下)
アジア市場で第3の柱の構築を目指す

update: 2019/09/04

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強化ブランドに掲げる「デサント」 (写真は「水沢ダウン」)

強化ブランドに掲げる「デサント」
(写真は「水沢ダウン」)

新中計の説明会で小関秀一(こせき・しゅういち)新社長は、旧経営陣が策定した前中計「Compass2018」に言及し、数値目標(後述)が300億円の未達に終わったことについて、「韓国市場は小さく、大きく伸ばせる余地が少ない。また、伸び悩む国内市場でも50億円の上乗せを目指すには無理があった。中計の数値目標の策定は如何なものかと思う」と疑問を呈した。また、「売上規模をこれだけ伸ばす必要があったのかどうか・・むしろ投資に使うべきではなかったか」と感想を述べた。

前中計の数値目標には懐疑的な姿勢

前中計「Compass2018」(2016-2018年度の3カ年)では、最終年度に連結売上高1,700億円、経常利益140億円、当期純利益100億円、ROE12%以上という数値目標を掲げていたが、その数値目標は達成できなかった。こうした結果が、前述の小関社長のコメントにつながったと見られる。

現在、成長率が最も高いのはアジア地域と分析。「日本を拠点にする当社が攻めるべきは、アジア市場ではないかと考える。欧米市場まで行くには経営資源が足りない」(小関社長)と判断する。欧米を開拓するのは、中国市場に足場を確立した後になると考えている。

成長が期待できるアジア市場とは韓国ではなく、中国である。「(現地企業の)アンタ社(ANTA Sports Products Limited)との提携は、新中計の目玉の1つだ」と小関社長は語る。韓国市場(デサントコリア)については、「収益の柱であることに間違いはない」が、「(成長時期を過ぎ成熟過程に差し掛かっているため)商品投入の“天”(市場規模に見合った適正な商品量、売上規模)を意識する。安定した収益性を追求していく」(小関社長)構えだ。