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帝人フロンティア、ウエアラブルシステム「MATOUS™」
来春をめどに製品化を計画

update: 2019/06/19

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顧客ニーズの明確化が課題

「MATOUS™MS」は、 身体の動きを記録することがメーン

「MATOUS™MS」は、
身体の動きを記録することがメーン

「MATOUS™VS」は、ウエアに計測センサーを取り付け、生体情報を収集するタイプの製品。「MATOUS™MS」は、身体の動きを記録することに重きを置く。「VS」では、競技中のアスリートの心拍数や心電図など、リアルタイムでの生体情報を収集することができる。すでに指摘されていることだが、「VS」の機能性は、スポーツ選手のトレーニングや試合の場において、各選手のスキルアップを目的に生体情報を収集するという活用方法が主流になると考えられる。

一方、「MS」では、ゴルフにおけるスイング解析などが典型的な活用事例だ。360°、全ての方向からのスイングを計測後、再生・分析できるメリットがあり、プロ・アマチュアを問わず、ゴルフ用品の販売促進のツールとしても、活用できる可能性がある。

当面は、スポーツ分野からの展開を想定する。ゆくゆくは、ワーキングやヘルスケア分野への応用も視野に入れている。検証実験、情報収集も順調に進んでおり、「来春までの製品化を計画している」(帝人フロンティア技術・生産本部技術開発部イノベーション開発課、安光玲課長)段階まで、商品開発は進んでいるようだ。センサーを付けた専用ウエアと、計測システムをパッケージで提供する予定だ。

ウエアラブル関連商材がなかなか拡販されなかった理由の1つに、ユーザーのニーズが明確になっていない点があった。今回の「MATOUS™」は実験を積み重ねた上での製品化なので、より精度は高まっている可能性がある。同社の公式発表では、2025年に300億円の売り上げを達成するという計画である。