TOP > 企業レポート > ゴールドウイン 全体像が見えてきた「Go...

ゴールドウイン
全体像が見えてきた「Goldwin」ブランド
軸足は“スキーヤー”目線

update: 2018/12/28

着実に総合化が進む「ゴールドウイン」ブランド (写真はスキーウエア展)

着実に総合化が進む「ゴールドウイン」ブランド
(写真はスキーウエア展)

ゴールドウインが社名ブランド「ゴールドウイン」のリブランディングを進めている。2016年秋冬シーズンの「ライフスタイル」のデビューを皮切りに、2018年からブランドロゴを一新。2019年春夏シーズンからは「アスレチック」カテゴリーがスタートするほか、同年秋冬には「アウトドア」が加わる。徐々に、新生「ゴールドウイン」ブランドの全体像が見えてきた。

通年型の展開へ、総合化を進める

「ゴールドウイン」は元々、春夏はアスレチック競技、秋冬はスキーウエアを中心にした通年型のブランドだった。アスレチックカテゴリーを休止した後は、スキーウエアに集約した展開が続いていた。全社では、「ザ・ノース・フェイス」を主力としたアウトドアビジネスがけん引役になっている同社だが、その半面、アスレチック関連ブランドのテコ入れ──中でも社名ブランドである「ゴールドウイン」の再構築が中期的な課題だった。

リブランディングのきっかけになったのは、前述した2016年秋冬シーズンの「ライフスタイル」のデビューである。同ブランドのルーツとも言えるスキーウエア──そのファンである“スキーヤー”の目線をコンセプトに、タウンユースを意識した「ライフスタイル」ラインを立ち上げた。強みの機能性に加え、汎用性の高いデザイン性を意識した商品群だ。

「ライフスタイル」の立ち上げに先立ち、4年前の2014-15年シーズンには、本丸のスキーウエアの企画を刷新する試みに挑戦している。高価格帯の商材に絞り込み、本来は原則1年ごとに替わる企画で、シーズンをまたいだ定番品として提案した。当時はかなり斬新な試みだったため、小売店などからは辛辣な意見が多かったようだ。しかし現在にも通じる「“飽き”の来ないスキーウエアを作る」(新井元 ゴールドウイン事業部長)という方針は変わっていない。

2019年は前述の通り、新生「ゴールドウイン」ブランドの全体像がかなり鮮明に見えてくるシーズンとなる。スキーウエアをコアに、ライフスタイル、アスレチック、アウトドアと、ブランドを表現する“切り口”が増える。さらに、19年秋冬からコンプレッションアンダーの「C3fit」も傘下に加え、アスレチック関連商材を拡充する計画だ。アスレチックについては、「スキーヤーからの派生では限界がある」(新井事業部長)と考えているため、「日頃のワークアウトウエアとしてのアスレチック」(同)に位置付ける。

今年11月には、東京・丸の内に初の直営店「Goldwin Marunouchi」をオープンした。商品企画の刷新に加え、同社が得意とするショップ展開も始まっている。

(年内は12月28日で配信終了。年明けは1月4日から再開します)