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トリンプ・インターナショナル・ジャパン
ランジェリーでスポーツ市場に本格参入

update: 2017/04/26

「triaction by Triumph®」。 モデルには、ジェシカ・ハートを起用

「triaction by Triumph®」。
モデルには、ジェシカ・ハートを起用

トリンプ・インターナショナル・ジャパン(東京都中央区)は4月26日から、スポーツ市場向けのスポーツランジェリー「triaction by Triumph®」(トライアクション バイ トリンプ)を発売する。レディスインナーの専業メーカーが、ランジェリー商材で、スポーツ市場に本格参入する。

スポーツチャネルでも展開

「triaction by Triumph®」は、“多くの女性が既存のスポーツ用ブラジャーに不満を持っていること”に着目。スポーツ時も“バストをつぶさずにきれいなシルエット”を保持し、バストの“揺れ”からシルエットを守る機能を持った高機能な“スポーツランジェリー”に位置付ける。

すでに欧州市場で発売されている商材で、エンドユーザーの評価を得ているという(2017年1-3月の販売で、前年同期比170%)。ハードなスポーツシーン向けの「Cardio」(カーディオ)と、幅広いスポーツシーン向けの「Studio」(ストゥーディオ)の2つのラインを展開する。

「triaction by Triumph®」の特徴は、着用時に女性らしい立体的なバストを保持する機能を持つことだという。スポーツ科学研究を行っている英国のポーツマス大学において、バストの揺れ具合を測定し、その保持機能が実証されたという。

差別化、住み分けが最大の課題

レディスインナー専業メーカーとして、サイズ設定(カップはB-D、アンダーは70-75)は幅広く展開する。また、“ユーロ圏”では、国際的なプロダクトデザイン賞「レッド・ドット・デザイン賞」を受賞している。当面は、一部の同社商品を扱う小売店や、新規マーケットであるスポーツ店、公式のオンラインショップで販売を開始するという。

日本市場では、ワコールが「CW-X」で一定のシェアを確保しているが、分野はシリアスなスポーツ市場であるため、レディスインナーの延長線上にある今回の「triaction by Triumph®」と直接、バッティングすることは考えにくい。しかも「triaction by Triumph®」の上代は3,900円-5,900円で、スポーツチャネルでは“高機能性”を武器にする「CW-X」よりも廉価な価格帯だ。

“アスレジャー”市場を狙った新製品であることは間違いないが、どこまでスポーツ志向者の女性ユーザーを取り込んでいけるのか。「CW-X」をはじめ、エスエスケイの「ジェーンスタイル」(上代は廉価な設定)など、すでにスポーツ系ブランドが定位置を占めている。美容・健康志向をコンセプトにする「ジェーンスタイル」と競合する可能性が高い。価格は「ジェーンスタイル」の方が値ごろ。機能面やデザイン面での差別化が重要になる。後発ブランドとして、どういったユーザー層を取り込んでいくのかが、興味深い所だ。