主要合繊メーカー、2018年春夏展まとめ(下)
得意分野をさらに強化する
update: 2016/12/21
ゴルフやユニフォームなど強みを発信
帝人フロンティアでは、学販向けの素材を集めたコーナーを設け、分かりやすい提案を工夫している。そのほか、耐久性を強化したポリエステル素材「パズモ®」や、汗処理に優れる「カラット®」などのスポーツ向け定番素材も継続展開する。
東洋紡STCでは、得意分野の1つ、ゴルフウエア向けのコーナーを設けている。また、カジュアル用途では、ニット素材「ゼットシャツ®」が好調である。ストレッチ性を持ったポリエステル100%の生地「テクニスタ48®」も取引量が増えている。
ユニチカトレーディングは、撥水素材「タクティーム®」を一素材にしているが、取引量が増えている遮熱性によるクーリング素材「こかげマックス®」シリーズも引き続き強化素材だ。
旭化成アドバンスは学販やユニフォーム関連が堅調だった。ユニフォームはトータルで3%増だという。昨春から新体制に移行したこともあり、再度ユニフォーム向けの素材をまとめて、提案を強化している。「ベンベルグ」を採用した素材「エラクール®BB」を使用し、接触冷感に優れている。また、アウトドアやユニフォーム向けの新素材「タフトレックス®」を提案。ソフトな風合いを持つニット素材だが、ストレッチ性・抗スナッグ性・防透け性を持つ。
共通した傾向は、“アスレジャー”や“カジュアル”にも採用できる素材提案を意識していること(専用素材を提案することは現段階ではほとんどない)、海外市場の開拓、糸から製品までの一貫提案、“快適性”の追求や“軽量”“薄手”といった生地のトレンド。しかし、主力にする素材や注力する種目やアイテムなどは、各社間でかなり差が出てきている。従来のように、共通したくくり方が難しくなっている一面がある。(終り)