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三井物産テクノプロダクツ
機能テキスタイル事業部
取締役事業部長
下津屋 忠則(しもつや・ただのり) 氏

「パーテックス®」の世界観を製品で表現

update: 2015/06/08

──市況と2014年度について。

2014年度は増収増益でした。主力素材の「パーテックス®」の売上高が42-43億円に達しました。今期は50億円を超えられればと考えています。売り先の90%が海外メーカーですが、05年に三井物産が買収して10年が経過し、ようやく欧米のアウトドアブランド向けに浸透したと思います。元々、欧州ブランドなので知名度はありましたが、時間がかかりました。定期的に新しい製品を出していかなくてはなりません。

国内市場は、好調なところとそうでないところがはっきり分かれてきたと感じます。主戦場の海外では、北米を中心に好調な推移。欧州は国によって市況に濃淡があります。韓国は引き続き低迷傾向で、中国が鈍化してきています。

3-4年前に比べると、売り先のメンバーが変わってきました。カジュアル性の強いメーカーが増えています。カジュアルがアウトドアに近付いてきたのか、アウトドアが変わってきたのかは分かりませんが…。セレクトショップとの取引も継続しており、素材の機能性を訴求しタウンユースに活かすケースも増えています。

──2015年度の見通し、取り組みは。

国内向けには、「パーテックス®」ブランドの世界観を作り、プロダクト・アウト的な提案──見せ方を進めています。海外では欧米のほか、オセアニアや東欧にも開拓の余地があります。

──2016年秋冬へ向けた一押し素材を教えてください。

春夏、秋冬とシーズンを分けた展開・提案をしていません。通年において、「パーテックス®」と「プリマロフト®」が強化素材になります。「パーテックス®」では製品を活用して、その世界観を発信することがポイントです。(代理店業務を手掛ける)中綿素材の「プリマロフト®」の製品群も整理されてきました。

──スポーツ以外の新規分野の可能性について。

昨今のアウトドアにおけるタウンユースニーズを意識し質感にこだわった「パーテックス・アンリミテッド」は、大手アパレルメーカーなどスーツにおけるニーズが多かった。日本のアパレル向けの機能素材に位置付けていますが、メンズが圧倒的に多い。ニッチな市場だと見ていますが、ニーズは多いと思います。価格帯は上のレンジで、14年秋冬から本格スタートしています。

──アピールポイントは?

「パーテックス®」は“攻め”の年に入りました。ファブリックブランドですが、アパレル製品を通じて、その機能性や個性を見せて行きたい。アウトドアは地道に開拓していきます。「プリマロフト®」は第2の柱にしたいと思います。

イチオシ素材

パーテックス®

パーテックス®

ナイロンの高密度織物で主にアウトドアウエアのダウンプルーフ地として使用されている。カジュアル向けの「パーテックス・アンリミテッド」など新モデルも増えている。


プリマロフト®

プリマロフト®

中綿(インサレーション)素材として広く使われている。生地の「プリマロフト・パフォーマンスファブリック」も14年秋冬からビジネスが始まっている。