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スポーツ市場におけるウエアラブル需要の現状

update: 2016/01/26

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来年以降、新規参入が増える見通し

ミズノの「スカウター」

ミズノの「スカウター」

国内の他のスポーツメーカーもウエアラブル端末の開発・市場投入の準備を進めている。ミズノは協賛する「大阪マラソン」に合わせ、走行中の心拍数などをリアルタイムで計測するウエアラブル機器「scouter」(スカウター)をお披露目した。来年の発売を予定している。アシックスは昨年12月から、各ランナーに適したトレーニングプランをウエアラブルデバイスで使用できるサービスを始めた。熟練度に応じたトレーニングメニューを作り、各ランナーのスキルアップに役立てることができる。

アシックスのウエアラブル端末

アシックスのウエアラブル端末

東洋紡のウエアラブル端末向け機能素材「COCOMI(心美)™」

東洋紡のウエアラブル端末向け機能素材「COCOMI(心美)™」


非スポーツ系メーカーの開発も進んでいる。前出のゴールドウインの「C3fit IN‐pulse」は、東レの導電繊維を使いNTTのICTを活用した機能素材「hitoe」(ヒトエ)を採用している。また、東洋紡も、導電繊維を使った「COCOMI(心美)™」(ココミ)を開発、スポーツ用途を主体に実用化に力を入れている。先日、開催された「ウェアラブルEXPO2016」にも出展した。また、肌着専門メーカーのグンゼも、同展に自社開発の導電繊維を使用したアンダーウエアを出展した。来年をめどに実用化を目指している。


グンゼのウエアラブル端末を付けたアンダーウエア

グンゼのウエアラブル端末を付けたアンダーウエア

将来性、市場の伸び代があるウエアラブル関連商材だが、まだ試作品段階のメーカーが多いのも現状だ。どういった販路でどういった差別化ポイントを見出し、どんな価格で販売するのか、詰めていくべき課題はまだ多い。実用化が進むのは来年以降になりそうである。