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ゴルフウエア市場 ―― 2011年展望
「感度はより高く、価格はより買い易く」がキーワード

update: 2011/01/20

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2011年は新たな局面を迎える

新しいスタイリングと若返りを模索する『マンシングウェア』

新しいスタイリングと若返りを模索する『マンシングウェア』

今年春から関西の主要百貨店では、改装グランドオープンが相次ぐ。3月の髙島屋大阪店を皮切りに大丸梅田店が増床、JR大阪三越伊勢丹が新規オープンする。来春には阪急百貨店うめだ本店が建て替えオープンする予定だ。日本国内の小売店の主役はショッピングセンターに移ってしまい、百貨店は漸減が続いている状態。今年以降の売り場面積増で競合がさらに激しくなる。

小売店にとっては厳しい状況だが、出店するメーカーにとってはチャンスだ。新ブランドや新業態を試せる機会が増えるからだ。ゴルフウエア市場も例外ではない。前述した漸減傾向の市場を再度、活性化させるけん引役になる可能性がある。現在の停滞感――レイヤードの次のスタイルが見えてこないという閉塞感――を打開することができる。新しい売り場編集への取り組みは、こうした売り場増加と無関係ではない。

今春以降、「ゴルフファッション」を強化ポイントに掲げる百貨店が少なくない。その方向性は2つあって、1つは「高感度・高級路線」、もう1つは「高感度・廉価路線」とでもいうべきマーチャンダイジングだ。「高感度・廉価路線」はゴルフ専門店・量販店と重なるブランドが多いと考えられる。

2-3年程前からこういったブランドは散見されるのだが、まだまだ“点”の状態で、次のトレンドを形成する“面”にまでは至っていない。 「高感度・高級路線」のブランドは「マーク&ロナ」「シェルボ」「ライル&スコット」「サイコバニー」「ジェイ・リンドバーグ」などといったところで、インポートブランドが比較的多い。「高感度・廉価路線」では「クラップコート」「ビバハート」「アルチビオ」「ペンギン・バイ・マンシングウェア」など。「アルチビオ」は「ピッコーネクラブ」の妹ブランドで、これを廉価路線に入れるかどうか賛否が分かれると思う。「ペンギン」は「マンシング」のヤング版だが、高感度といえるかどうか、これも賛否が分かれるところだろう。この辺りは店舗や客層によって捉え方が異なるので、若干の主観が入ることはお許しいただきたい。

前述した新しい商品群は、次世代顧客の40 - 50代を意識したものと言える。30代も重要な客層の1つだが、可処分所得が少ないため高額品へのアプローチはあまり見込めない。となると、ゴルフ用具で見られる40 - 50代の「回帰組」に期待が集まる。子育てが一段落した年齢層で、若かりし頃(バブル絶頂期である)にゴルフをプレーしていた経験がある。ファッションに対する審美眼も可処分所得も持ち合わせている。恐らく百貨店が中心になるだろう。 いずれにしても今年は、1既存ゴルフウエアブランドと差別化できる商材2高感度の中で幅が広がる上代設定3百貨店、ゴルフ専門店・量販店との競合激化4顧客の再定義、といった項目が焦点になってくると予想される。