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『マーケット分析』
転換期に差し掛かった百貨店――スポーツ編

update: 2011/03/28

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新業態が求められている

髙島屋大阪店は全方位型

髙島屋大阪店は全方位型

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百貨店からスポーツ関連売り場が減っているのは、やはり売れなくなっているからだろう。レディスブランドの数と売上規模を考えれば当然かも知れないが。小田急百貨店ハルク館、プランタン銀座のフィットネス売り場、松坂屋名古屋本店、阪急百貨店イングス館など、各地域の一番店は別として、百貨店ではスポーツ商材の需要が減っている。これは人口動態と年齢層別の百貨店利用状況を見ればすぐに類推できることで、簡単に言うと、これから新規顧客として増えて欲しい30代以下の人が百貨店にあまり来なくなり、その反対に今まで主要顧客だった60代以上の人が徐々に減っている(あるいは消費を控えている)傾向があるからだ。特に2008年9月のリーマンショック以降は、平均上代と客単価が減ってしまった。

例外はゴルフウエアとアウトドアウエアだろう。特にゴルフウエアは普段着として着られてきた長い歴史があるので、その傾向が強い。もちろん、前述のような単価ダウンと買い控えの悪影響は漏れなく受けているが、それでもまだ安定している分野である。しかし、例年に比べ気温が低い今春は苦戦気味である。