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デサント
常務取締役ゴルフ管掌 兼リテール・支店管掌 兼東京オフィス長、三井久氏
「日本とアジアの市場を一緒に考える」

update: 2014/12/26

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国内は在庫適正化とブランド価値向上が課題

アジアビジネスやインバウンドも大事だが、基軸の日本市場の活性化も重要な課題である。全社規模で推し進めている“在庫(棚卸資産)の適正化”は、ゴルフ事業においても重視する取り組みだ。

「在庫の適正化はゴルフ事業にも共通した課題です。適正な量のプロパー商材を提供しないと、市場が乱れることになる。過度なマークダウンはよろしくない。ブランド価値をどうやって高めていくかが課題で、バーゲン比率を適正に保つことが肝要です。アウトレット店舗をうまく活用することも必要でしょう。現在、全社で直営店が45店、うちアウトレット店が22店ありますが、これらを整備していくことが、ブランドイメージの管理──ひいては在庫管理にもつながります」

インバウンド需要が40%に上る 原宿の「デサント」直営店

インバウンド需要が40%に上る
原宿の「デサント」直営店

現在、全社(国内)のチャネル(販路)先の売上比率は、スポーツチェーン店が30%を超えている。ちなみに、ゴルフのブランド別では「マンシングウェア」や「ランバン スポール」は60−70%が百貨店だという。反対に「ルコックゴルフ」は80%がチェーン店である。

「ネットを含む“直営店をはじめとする自主管理型売り場”については現在、全社売り上げの30%を占めています。中期的には50%まで持って行きたい。2015年秋に向けて、『デサント』ブランドのショップを2−3店舗出す計画です。規模は原宿店に比べるとコンパクトだが、店舗運営を考え、52週MDも念頭に入れて、コーディネートで訴求していきたい。新しいチャネル開拓も進めています。その1つが、家電専門店『ヨドバシカメラ』における展開です。『PCスーツ』と銘打ち、仕事でパソコンを使う人の疲労軽減になる商品を提案する売り場に、当社の機能アンダー『スキンズ』を展開し始めました。スポーツと異なる客層を相手に、ブランド認知を高められる余地がある」

「しかし基本は“小売店と当社ブランド双方のロイヤルティーを互いに高めていくこと”が重要で最優先事項。プロパー販売の適正化を図りながら、ブランド価値を高め、小売店との共存共栄を目指したいと考えています」

略歴 三井久(みつい・ひさし)氏 1954年生まれ。77年デサント入社。99年カジュアルスポーツ営業本部チェルッティ・ウィッテム営業部長。02年第3事業部ウィメンズスポーツ営業部長。06年執行役員第1事業部ルコックスポルティフ営業部長。08年取締役第1部門第2事業部長兼ルコックマーケティング部長。10年取締役セールス部門長。11年6月、取締役セールス部門長兼東京オフィス長。13年6月、常務取締役セールス管掌。14年4月から現職。