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デサント、石本雅敏 代表取締役社長
2年目の課題は「やり抜く力を付けること」

update: 2014/09/01

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アジアが好調、在庫の整備も進む

ビジネス面では韓国、中国が引き続き好調に推移。国内では課題だった在庫の整備がある程度、達成できた。今上期も在庫の整備に取り組んでいる。課題には、国内の収益力強化と北米ビジネスの立て直しが残っている。

商品企画においてもクロスボーダー化が進んでいる。 写真は「マンシングウェア」

商品企画においてもクロスボーダー化が進んでいる。
写真は「マンシングウェア」

「一言にアジアといっても国や地域でまちまち。韓国は引き続き順調でまだ伸びる余地はあると思います。東南アジアはシンガポールデサントを作り、一気に商売を広げていくべく、第一の矢を放ったが、今は一巡して踊り場に差し掛かっている。進捗状況をチェックする時期に当たっています。二の矢の放ち方を見定めているところです。地域によってはやり直しているところもあります。『マンシングウェア』ではアジア全土へ向けたプロモーションなど、今までやっていなかった試みも進めている。プロモーションのグローバル化も含め、アジア全体でもクロスボーダーの対応を推進しています」

「商品面でもこの1−2年でクロスボーダー化が進んできました。例えば香港や中国、台湾のスタッフが韓国の展示会へ商品を確認しに行く、香港の人達が中国の商品を確認するなど、各地域間の交流も進んでいます」

「デサントコリア(韓国市場)好調の一番の理由は、企画や販売など現地化がうまく行っていることだと思います。しかし企画やプロモーションは日本発信のそれがしっかりしていなければ今までの成長はなかったし、これからもないと思います。韓国の現地スタッフも『日本が元気でなければ、これ以上デサントのブランドを韓国で伸ばすことはできない』と常々語っています」

在庫の整備は、各ブランドの商品企画とも無関係ではない。計画的に商品量を決めて、効率良く販売=消化していくことに重きを置いている。

「SKU(在庫最少単位。型数)を減らす、消化率を高めることはこの1年間、ずっと言い続けていることです。これでスタッフが、商品の作り方、在庫の管理、売り方の仕組みをどこまで改善できるかがポイントでしょう。また、売れ筋に対する理解や考え方も変えないといけません。いまだに当社の販売員は売れ筋商品ができると同じものを『もっと欲しい』と言って来る。しかしひとつの商品を売り切ったら次の商品へ移行し、それを売るという考え方、流れに変わっていく必要がある。納品ではなく店頭売上をもっと意識するように、評価基準も含め見直していくことが大事だと思います」

「国内市場はこれからチャンスではないでしょうか。アパレルメーカーとスポーツメーカーの垣根が低くなっており、スポーツウエアを色々なシーンで着てもらえる機会が増えていくと思います。これがうまく行っているのが韓国市場。スポーツの軸をくずすことなく、ブランドのコアの部分をきちんと保ちながら、その周辺を広げていっている。この点は日本も学ぶところだと思います」