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デサント、石本雅敏 代表取締役社長
2年目の課題は「やり抜く力を付けること」

update: 2014/09/01

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デサント、石本雅敏社長

デサント、石本雅敏社長

デサントの代表取締役社長に就任して1年が経過した石本雅敏氏。前期の2014年3月期は16年ぶりに連結売上高が1,000億円の大台を回復するなど、順調に業容が拡大している。懸案だった棚卸資産(在庫)の整理もある程度進んだ。国内市場強化や北米の立て直しなど課題は残っているが、海外売上は拡大基調に乗っている。石本社長に1年目の総括と2年目の取り組み課題について聞いた。

企業理念を再確認、社員とも共有

社長に就任して1年目に取り組んだのは、自身を知ることだった。「デサントを知ることと、知ってもらうこと」に力を注いだ。

「知ることとは改めてデサントのことを知る、デサントに関わる企業や人達を知っていくということです。特に力を入れたのはデサントが持っているもしくはデサントを取り巻く経営資源、人や物がどこにどういったものがあるかということをきちんと(自身の目で)見ていきたいと考えました。そのために国内外の工場や営業拠点、支店、海外拠点、『アリーナ』や『ルコックスポルティフ』ブランドといった当社がエリア限定で商標を所有する海外のパートナー達に会ってきました。ひと通り見終わったのが、昨年末くらい。まず、自分自身がデサントのことを知るということです」

石本社長自身が改めてデサントのことを知ると同時に、社員に対しても同様にデサントのこと―― 企業理念を理解し、共有してほしいということを訴えてきた。

「社員に対し、改めてデサントの企業理念が何か伝えました。『すべての人々に、スポーツを遊ぶ楽しさを』伝えるという企業理念です。デサントの商品やサービスを通じてこの企業理念を実現していくという会社としての原点を確認し、それを社員と共有するということを朝礼などの機会をとらえて発信しています。デサントの存在意義はこの理念達成のためにある」

 2年目はこうした社長自らの発信を各役員にまで広げている。月に一回の朝礼において、順に各役員が仕事の話のほか、自身の価値観など幅広い事柄を話しているという。

「もちろん利益は非常に大事で会社の活力になりますが、最終目的ではありません。仕事を通じた一つひとつの行動は理念を達成するためにやっていることだと何度も話しました。また、中期計画では何を考えているのか、現在のグループ企業やデサント本体の現状がどうなっているのかも社員に分かってもらうために、自身の社内向けブログや朝礼などを通じ伝えようとしています。効果は表れていて、1日に1通は社員から直接私の元にメールが届く。若い社員からは『創業時の話をして欲しい』といった要望が集まっています」