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デサント 羽田仁 取締役 海外管掌 兼 海外事業統括部長
アジア、アセアン諸国の開拓に本腰

update: 2013/08/08

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商品の現地企画化が進む

今年6月に稼働したデサントコリアの物流センター

今年6月に稼働したデサントコリアの物流センター

稼ぎ頭になったデサントコリアの成功の1つに、商品企画の現地化が挙げられる。市場ニーズを良く知る現地スタッフによる商品はスムーズに受け入れられやすい。日本と違って企画から生産、販売まで自己完結するSPA型の企業体を採るため、在庫を残さず商品を売り切るという意識が強い点もプラスに働いているようだ。同様に香港でも現地企画化を進めている。

「デサントコリアはSPAなので、すべてが在庫。期中フォローもするし、消化率も高い。社員に対するインセンティブも大きい。韓国の物流センターが6月3日から稼働し始めました。韓国国内向けの自社品の物流センターで、延床面積1万3,500坪の3層構造。効率の良いビジネスを支える存在です」

「現地企画は香港でも、商品企画やマーケティングをやるという体制を構築していきます。まず『アリーナ』の企画を日本から移管しました。『ルコックスポルティフ』もその半分を移管しました。7月半ばに初めて香港で『ルコック』の展示会を開催しました。そのほかのブランドは日本の企画担当者が別注を作り提供します。シンガポールには6月から、運営サポートのために日本人スタッフを1人常駐させました」

一方、欧米市場の開拓はどうか。冒頭で触れたように新中計の3年間で18億円から30億円と控えめの数値目標である。

「欧米で売ることのできるブランドは『デサント』しかありません。種目はスキーウエア。アジアは大丈夫ですが、欧米はサイズの問題がある。米国はスキーウエアが中心で、高機能品が売れにくくなっている。価格の安いものが売れるようになってきました。昨年9月からサイクリングを始め、もう1つの柱にしようとしています。現地企画化も進めようとしています。価格を抑えたスポーツカジュアル的なものも必要になってきました」

「欧米はディストリビューター頼みの面が大きい。自前の拠点を作りたい思いはあるが、まずはマーケティング、市場を調査することが先決でしょう。欧州ではスキーに強い代理店とのお付き合いが長かったが、これからはアスレチックに強いところも開拓する必要がある。南米では2012年秋冬からチリでスキーウエアを展開し始めています。半シーズンずれますが、ちょうど日本の企画を投入し始めたところです。結果はこれから出て来ます。南米はスキーに関して一定の需要がある。今後はチリからペルーへも拡販する予定です」

略歴
羽田仁(ハネダ・ヒトシ) 1955年生まれ。79年4月、デサント入社。2002年4月、第2事業部海外販売部長。06年4月、上海迪桑特商業有限公司董事長(出向)。07年4月、執行役員兼香港迪桑特貿易有限公司董事長兼上海マンシングウェアゴルフクラブ有限公司董事長。10年4月、執行役員マーケティング部門海外事業部長。同年6月、取締役。11年4月、取締役海外セールス部門長兼海外セールス部門営業2部部長。12年4月、兼上海迪桑特商業有限公司(上海デサント)総経理。13年6月から現職。