『注目パーソン・インタビュー2』
—アウトドアブランド「フェールラーベン」
スカンジナビアのライフスタイル
update: 2011/02/14
ノルウェー発祥のアウトドアブランド「フェールラーベン」。日本では、スポーツ卸のエスエスケイ(大阪市)の関連会社、SSKエンタープライズ(同)がライセンス契約に基づいて、生産・販売する。ファミリー志向やヤングレディス強化など試行錯誤の末、「スカンジナビア・スタイル」という独自路線に落ち着いた。現状をSSKエンタープライズの竹島祥晃副社長に聞いた。
感性を売る
売り上げの約70%は直営店で、いわゆるSPA(製造小売り)体制をアウトドア系専門店やセレクトショップ、百貨店といった小売店が対象。直営店舗は15店に増え、一貫した物作りの体制が整ってきた。スクラップ&ビルドは順次進めており、20日に京都店を閉めて、4月21日には埼玉・越谷のレイクタウンにアウトレット店を週店予定だ。
「売り上げは順調に伸びています。上期(8―12月)は約7%の増収でした。既存店では8―9%の伸び。直営店では2ケタアップしています」
ほかのアウトドアブランドやカジュアルブランドと差別化を図るため、「スカンジナビアのライフスタイル」を基本に掲げる。昨今、はやりの山ガールではない。山岳地帯を重装備で歩くアウトドアというよりも、森や草原など平地のアウトドアで楽しむのがこのブランドのスタイルだ。
「北欧のスカンジナビア・スタイルが基本で、ブランドのルーツをはっきりさせることが大事。そうしたスタイリングを主にした上で、機能性を付加するという商品企画の考え方です。ブランドの感性を売る、共感してもらえる人に売るということ。こういった個性がないと一般カジュアルウエアに負けてしまいます。もちろん、今はやりの山ガールは意識しますが、それに流されてしまってはいけません」
顧客は30―40代が中心。一部の店舗では50代も多く訪れる。北欧発祥のブランドということもあり、色目やデザインは落ち着いたトーン。若い層より大人の男女が多いのはこうしたブランド背景があるようだ。
「上代はジャケットで1―2万円。素材でかなり幅があります。パンツで1万円台。一万円を切るアイテムもあります。小ロット生産が基本ですが、他ブランドと比べても安い方ではないでしょうか」