帝人フロンティア、取締役 衣料繊維 第一部門長 鈴木哲志 氏
「基本は高機能性素材を開発し続けること」
update: 2017/03/13
グローバル化が進む生産体制、日本の拠点も重視
国内の生産拠点を維持しつつ、海外の生産体制の整備を進めている。タイの工場が来期(4月)から傘下に入るなど、重要度が高まっているアセアンでの生産が増えているという。しかし一方的に海外へシフトするのではなく、国内外でバランスの良い生産体制の構築を目指している。
「確かに海外生産比率は増えていますが、日本から移管したことはないですし、むしろ日本生産にこだわっている面がある。日本の場合、生産する機能素材が高度化している。国内のニット工場ともうまく連携できているし、海外とうまく二極化できていると思います。顧客も、『この素材は日本でしかできない』といったことを理解してくれている。そういう意味で、国内外の生産拠点をうまく使い分け出来ていると思います。日本・中国・アジアにサプライチェーンを持っておくことは重要な点です」
「海外のメガブランドと取引しようとすると、グローバルな生産体制が必要です。しかし、それを推し進めることで、コアな日本企画の受注につながることもある。彼らはコスト、合理化、QR(クイックレスポンス)も求めてくるが、高度化した日本の素材へのニーズもあります」
生産のグローバル化は進むと分析しているが、それと併せて日本の生産基盤の存在感もさらに増すと考えている。
「テキスタイルのみのビジネスでは、海外生産比率が50%を超えます。製品ビジネスはほとんどが日本国内向け。更なる拡大を図るには、伸び代を考えてもグローバル比率が高まってくることでしょう」