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国内主要上場スポーツ企業6社、2021年度 通期業績見通し
過半数が増収増益基調に

update: 2022/01/11

国内主要上場スポーツ企業6社、2021年度 通期業績見通し一覧(表1)

国内主要上場スポーツ企業6社、2021年度
通期業績見通し一覧(表1)

年初に当たり、国内主要上場スポーツ企業6社の2021年度の通期業績見通しをまとめてみる。6社のうち現時点で過半数の5社が増収増益(黒字回復)基調を予測している。前年度(2020年度)はコロナ禍に苦しめられたシーズンだったが、今期は業績が復調に転じている。

来期以降の成長の足掛かりになるか

対象としたのはアシックス、美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼットの6社(順不同)。アシックスのみ2021年12月期で、他社は2022年3月期である。最新の各社の通期見通しの数値を基に、一覧を別表にまとめたので参考にされたい。企業会計基準第29号の適用時期と被っているため、純然たる前年度との比較はできないが、参考値として前基準に基づく業績数値の増減率を明記した(別表を参照)。

通期の業績は、全社で増収の見通しだ。デサントを除く5社が、コロナ禍の前──2019年度の売上高を上回る見通しを立てている。アシックスは第3四半期時点で、利益の見通しを上方修正した。売上高予測は据え置いている。主力の「パフォーマンス ランニング」が欧米で復調しているという好材料もあった。

ミズノは増収増益の見通しだ。第2四半期時点で、営業利益および経常利益が連結決算の移行後、最高益を達成した。欧米を中心にゴルフクラブやランニングなどが健闘した。主力の国内ビジネスも競技、ライフスタイル両面でコロナ禍から回復してきた。

デサントは通期で増収、黒字回復を見込んでいる。デサントコリアの回復が遅れるなどし、手堅く見積もっている。日本事業の構造改革を進めたこともあり、仕切り直しの時期と言う面もあった。ゴールドウインは増収減益の見通しだ。主力の「ザ・ノース・フェイス」が健闘している事もあり、収益性は安定しているが、コロナ禍の影響を考慮し、通期見通しを据え置いている。

ヨネックスは欧米やアジアなどの回復が貢献し、第2四半期時点で通期見通しを上方修正した。収益は2019年度を上回る計画だ。主力の「バドミントン用品」の復調が大きな原動力になっている。ゼットの通期業績は2019年度を上回る見通しだ。前期(2021年3月期)の営業損失は黒字化する計画である。