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決算展望 ③ゴールドウイン──底堅い収益性を持続

update: 2021/05/11

ゴールドウイン、2020年3月期 財務数値一覧(表1)

ゴールドウイン、2020年3月期
財務数値一覧(表1)

主要な国内上場スポーツ企業の2021年3月期業績の見通しを展望する。第3回目はゴールドウインを取り上げる。主力のアウトドア事業がけん引役になり、コロナ禍でも高い収益性を維持している。通期見通しも上方修正しており、一人勝ちの様相だ。

底堅い主力のアウトドア事業

「ザ・ノース・フェイス」をはじめとした「アウトドア関連」事業が強みを発揮している。第3四半期(4-12月)終了時点で、「アウトドア関連」の売上高は600億円(0.1%増)と前年並みを確保した。前半にコロナ禍で苦戦したにも関わらず、結果的に過去最高の売り上げを記録した。間違いなく、収益の柱となっている。

ゴールドウイン、2021年3月期 業績予想(表2)

ゴールドウイン、2021年3月期
業績予想(表2)

第1四半期こそ減収、損失を計上したが、第2四半期以降は着実に利益を確保した。今年2月には通期の業績予想を上方修正した。前年実績を下回るが、売上高880億円、営業利益125億円、経常利益135億円の見通しで、高い収益性に変わりはない(表2を参照)。

財務面の不安材料も見当たらない。アスレチックやウインターなど、アウトドア関連事業に続く収益の柱がない点は課題である。アウトドア事業が好調なうちに第2の収益の柱を確立することが、当面の優先課題と言えるだろう。(続く)