adidas Group 2020年12月期 本決算
減収減益になるも、第4四半期は復調の兆し
update: 2021/03/12
adidas Group(アディダス社)の2020年12月期連結決算は、コロナ禍の影響で減収減益だったが、第4四半期(10-12月)は復調の兆しが見られた。また、2025年までの成長戦略(いわゆる中期経営計画)「Own the Game」(オウン・ザ・ゲーム)を公表。売上収益は年率8-10%で増収する計画を策定した。
2025年までの中期経営計画「Own the Game」を公表
連結の売上収益は、198億4,400万ユーロ(約2兆5,003億4,400万円、1ユーロ=126円で換算)、16.1%減と2ケタの減収だった。コロナ禍の影響が尾を引いた形だ。売上総利益率(粗利率)は49.7%(2.3ポイント減)で、コロナ禍や在庫の増加の影響により低下した。
販管費率が増加したこともあり、営業利益は7億5,100万ユーロ(約946億2,600万円、同)、71.8%減と大きく落ち込んだ。税引前利益も、5億7,500万ユーロ(約724億5,000万円、同)、77.5%減の減益に至った。当期純利益は4億3,200万ユーロ(約544億3,200万円、同)、78.1%減だった(表1を参照)。
地域別では、軒並み2ケタの減収。商品別の売上高も2ケタの減収だった。第4四半期(10-12月)は、「Europe」(欧州)を除く全地域で増収(現地通貨ベース)を達成した。特に「Russia/CIS」(ロシア・独立国家共同体)が21.0%増(現地通貨ベース)と好調に推移した。DTC(Direct to Consumer)ビジネスが14%増と好調な推移で、ECビジネスは43%増と健闘した。
本決算の開示に合わせて、2025年までの成長戦略(いわゆる中期経営計画)「Own the Game」(オウン・ザ・ゲーム)の内容を明らかにしている。売上収益は年率8−10%で増収する計画で、売却予定の「Reebok」(リーボック)ブランドの売上減も考慮に入れている。営業利益は12−14%を目指す。「DTC」ビジネスへのシフトを進め、Eコマースの売り上げも拡大させる。デジタルトランスフォーメーションへの投資を強化する。