国内上場スポーツ企業、業績レビュー⑤ ゴールドウイン
通期は減収減益予想も、高い収益性を維持
update: 2021/02/05
国内上場スポーツ企業の決算開示を控え、主要各社の業績をレビューする。最終回は、ゴールドウインを取り上げる。主力のアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」を中心に各販路でまんべんなく収益を上げている。コロナ禍において、数少ない健闘している企業である。
底堅い主力のアウトドア事業
過去5年間の業績の変化を見ると、2016年3月期(2015年度)の売上高597億円が2020年3月期(2019年度)には同978億円(63.9%増)と大きく増加した。主力のアウトドア事業が大きなけん引役となった。売上総利益率(粗利率)は53.5%(9.3ポイント増)と大幅に改善している。プロパー比率の改善が着実に進んだ事が背景にあるようだ。販管費率は35.8%(3.1ポイント減)と削減が進んだ。
営業利益は2015年度が31億2,900万円だったが、2019年度には174億8,000万円(458.6%増)と約5倍に拡大した。売り上げに占める比率は17.9%で、同業他社に限らず、国内のアパレル系SPA企業と比べても高い水準だ。経常利益も2019年度が163億7,500万円(291.7%増)で約4倍の増益。当期純利益も同107億7,000万円(219.7%増)で約3倍に増加した。
収益性の改善に加え、財務面も安定している。自己資本比率が56.8%(5.2ポイント増)と増加した。D/Eレシオも0.086倍で資金繰りにも懸念材料はない。コロナ禍で第1四半期は苦戦したが、上半期決算では上方修正し、利益を確保した。