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主要上場スポーツメーカー業績レビュー、① adidas AG
過去5年間で、売上規模が39.8%拡大

update: 2021/01/21

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adidas AG、2019年12月期 財務数値一覧(表1)

adidas AG、2019年12月期
財務数値一覧(表1)

年が改まり、2021年がスタートした。外資系を中心に12月期の上場スポーツメーカーは来月以降、本決算の開示を迎える。その決算発表を控えて、今回はその企業の1つ、adidas AG(アディダス社)の過去5年間の業績をレビューする。

営業利益は151.2%増、当期利益は3倍増に

過去5年間の業績――2015年12月期と2019年12月期を比較すると、売上収益が236億4,000万ユーロ(約2兆9,786億円、1ユーロ=126円で換算)と、39.8%増と順調に拡大した。ナイキ社やアンダーアーマー社のように収益が北米地域へ集中していない。各地域で比較的バランス良く稼げている点はリスクヘッジにつながっている。

adidas AG、2015年12月期 財務数値一覧(表2)

adidas AG、2015年12月期
財務数値一覧(表2)

営業利益は26億6,000万ユーロ(約3,351億6,000万円、同)で、151.2%増と倍増した。税引前利益も同水準の増益である。当期純利益は19億7,600万ユーロ(約2,489億7,600万円、同)と約3倍に増えている(別表を参照)。

収益性が高まっている。売上総利益率(粗利率)は2019年度までの5年間で52.0%(3.7ポイント増)と改善が進んだ。販管費率も40%台前半に抑えられており、利益確保の一助になっている。