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主要外資系上場スポーツ企業3社、2020年12月期 第3四半期まとめ
減収減益が続くも、一部地域で復調の兆し

update: 2020/11/27

主要外資系上場スポーツ3社、2020年12月期 第3四半期 財務数値一覧(表1)

主要外資系上場スポーツ3社、2020年12月期
第3四半期 財務数値一覧(表1)

主要外資系上場スポーツ企業3社の2020年度12月期『第3四半期』(1-9月)決算の傾向をまとめた。対象はアディダス、プーマ、アンダーアーマーの3社。決算期が異なるナイキの最新業績も参考資料として添付した。概してコロナ禍の影響で減収、減益(損失)傾向は続いているが、欧州やアジアなど一部の地域では業績回復の兆しが見られるようになってきた。

アディダスとプーマが黒字に、ナイキは前年並みを回復

対象としたのはadidas AG(アディダス社)、PUMA(プーマ)、Under Armour(アンダーアーマー)の上場3社で、いずれも決算は12月期。Nike,Inc.(ナイキ社)は5月期と決算期が異なるが、参考に最新の業績──第1四半期(6-8月)の結果を添付している(表1を参照)。

主要外資系上場スポーツ3社、2020年12月期 第3四半期 セグメント別売上高(表2)

主要外資系上場スポーツ3社、2020年12月期
第3四半期 セグメント別売上高(表2)

アディダスは2ケタの減収だったが、「Europe」(欧州)が3.3%増と回復してきた。「North America」(北米)は5.4%減とマイナス幅が少なくなってきた。損益面では、7-9月の第3四半期に営業利益を確保。1-9月の9カ月間で初めて黒字転換した。

プーマは1ケタの減収だったが、第2四半期の損失計上から黒字に転換した。けん引役になったのは欧米市場で、「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)が14.1%増、「Americas」(米州)が9.7%増と好調に推移した(表2を参照)。

アンダーアーマーは2ケタの減収、損失計上と苦戦が続いている。「Restructuring and impairment charges」(リストラおよび減損の費用)5億4,900万米ドル(約576億4,500万円、同)の計上も少なからず影響した。「EMEA」の売り上げが0.7%減とほぼ前年並みに復調してきた。

ナイキの第1四半期は、微減収増益。売り上げはほぼ前年並みの0.6%減だったが、利益面は前年比を上回った。営業利益は14.5%増で2ケタの増益となった。「EMEA」や「Greater China」(中華圏)が回復してきている。商品別では主力の「Footwear」(シューズ)が3.8%増と堅調。「Converse」(コンバース)ブランドも1.4%増と前年を上回った。