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主要外資系スポーツ企業 6社、春夏業績まとめ
オンライン活用したブランドが健闘見せる

update: 2020/09/28

主要外資系スポーツ企業、 春夏業績まとめ一覧(表1)

主要外資系スポーツ企業、
春夏業績まとめ一覧(表1)

主要外資系スポーツ企業 6社の2020年春夏の業績をまとめた。世界的なコロナ禍の影響で、各社共にリアル店舗の売り上げが著しく減少し、苦戦を強いられた。その半面、オンラインを活用した販売が活発だった企業は健闘を見せた。

「ナイキ」が復調の傾向、「ルルレモン」も堅調

対象にした企業はナイキ社、アディダス社、プーマ社、アンダーアーマー社、キャロウェイゴルフカンパニー、ルルレモンアスレティカ社の計6社(順不同)。ナイキは5月期、ルルレモンは1月期、残りの4社は12月期だ。2020年4-8月の春夏の重複する期間の業績を比較した。

ナイキの2021年度の第1四半期(6-8月)は微減収・増益だった。オンラインの売り上げが82%増と好調だったこともあり、リアル店舗に関連するホールセール、直営店の落ち込みを相殺した形だ。

顧客と直接、関係を持ち、自社ブランド及び製品をアピール、販売していくといういわゆる「DTC」(Direct to consumer)ビジネスが徐々に成果を挙げつつある。直営店ビジネスもDTCに含まれるが、今回好調だったのはデジタル面──ECに代表されるビジネスだった。

同様にルルレモン(第2四半期、2-7月)も、オンラインを活用したビジネスが健闘した。収益の構造はナイキと似ており、リアル店舗の売り上げの落ち込みをオンラインがカバーした。販路別の売上高を見ても、直営店より「DTC」の比率の方が高くなっている。同売上高も前年同期比で12.0%増と2ケタの増収だった。

その他の4社(アディダス、プーマ、アンダーアーマー、キャロウェイゴルフカンパニー)の第2四半期(1-6月)は減収・損失計上だった。しかし、リアル店舗の営業が本格化していった7月以降の数値は含まれていないため、単純比較はできない。

決算期が12月期の4社(アディダス、プーマ、アンダーアーマー、キャロウェイ)は第3四半期が7-9月である。その結果を比較すれば、ナイキやルルレモンとの違いや、市況の回復度がもう少し明確になるだろう。また、DTC──デジタルビジネスの隆盛が一時的なものか恒常的なものか、といった判断に必要な材料も増えてくると考えられる。