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主要スポーツ上場企業5社、2020年3月期 連結決算まとめ
コロナ禍の影響が色濃く反映

update: 2020/05/29

主要スポーツ上場企業5社、2020年3月期 財務数値一覧(表1)

主要スポーツ上場企業5社、2020年3月期
財務数値一覧(表1)

主要スポーツ上場企業5社の2020年3月期連結決算が出揃った。新型コロナウイルスの影響で実店舗が相次いで休業したことが大きく響いた形だ。増収はゴールドウインとヨネックスの2社、利益面ではゴールドウインを除く全社が減益となった。

ゴールドウインが一人勝ち、過去最高収益に

対象にした企業は美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼットの5社(順不同)。いずれも3月期決算である。コロナ禍による第4四半期(1-3月)の落ち込みが収益にマイナスのインパクトを与えた。通期の業績見通しは、ゴールドウインを除く全社が「未定」としている。

ミズノはコロナウイルスの影響に加え、暖冬で秋冬物のアパレルが不振だったこともあり、減収となった。しかし、懸案だった「米州」ビジネスが黒字化し、欧米でゴルフ用品などが健闘するなどプラス要因も見られる。国内では、ワーキングビジネスやスポーツ施設サービス事業が健闘した。

各社の部門別・セグメント別売上高一覧(表2)

各社の部門別・セグメント別売上高一覧(表2)

デサントは韓国ビジネスの不振にコロナ禍も加わり、苦しい決算となった。当期損益が18期ぶりに損失に至った。韓国は下期(7-12月)の日本製品の不買運動の影響が大きく、収益が落ち込んだ。その半面、中国における「デサント」ブランドが好調に推移した。「デサント」ブランド全体では減収だったが、日本国内及び中国のビジネスが健闘した。

ゴールドウインは2期連続の最高収益で、増収増益を達成した。主力ブランド「ザ・ノース・フェイス」を中心にアウトドアビジネスが好調だったほか、ラグビーワールドカップ効果で「カンタベリー」も収益に貢献した。コロナ禍の影響は大きいが、第3四半期までの貯金が大きかった。通期は減収減益の見通しを立てているが、変化できるチャンスだと前向きに捉えている。

ヨネックスは、第3四半期までの中国(12月期決算のため、コロナ禍の影響が軽微)のビジネスが収益に貢献した。日本のビジネスは3月以降を中心に大きく影響を受けた。ゼットもコロナ禍の影響で減収減益となった。消費増税や暖冬などの影響もあったようだ。